「オネーサン」でバズったスーパーGT参戦チーム「BMW Team Studie」のドライバーに直撃! 新型車両「M4 GT3」ってどんなマシン? (2/2ページ)

ドライバーからも好印象! ポイントは「コーナリング性能」

 以上、高根氏にGR86 GTの特徴を解説してもらったが、実際のフィーリングはいかがだろうか? というわけで、BMW Team Studie × CSL でM4 GT3を駆るレギュラードライバーの2人、アウグスト・ファルファス選手および荒 聖治選手にインプレッションしてもらった。

──M6 GT3とM4 GT3はまったく違うクルマですか? それとも似ている部分はありますか?

ファルファス選手:完全に違うクルマだよ。M6 GT3の良いところをキープしながら、ゼロから作り上げたクルマだからね。すべてが新しいマシンだよ。

荒選手:M6 GT3とM4 GT3は違うマシンで、M4はコーナリングマシンになっていますね。M6はハイスピードが速くて富士を得意としていたんですけど、M4はコーリングが速くて鈴鹿に合っています。それにエンジンもV8から直6になったことでフィーリングもまったく違います。

──M4 GT3の最大の特徴は?

ファルファス選手:とても運転しやすいところ。M6 GT3は少し難しかったけれど、M4 GT3はジェントルマンドライバーがドライビングしても好タイムをマークすることができる。スーパーGTはタイヤがコンペティションで、すべてのレースで異なるタイヤが使われているし、タイヤのマッチングによってはアップダウンするけれど、クルマのフィーリングに助けられている。とくにM4 GT3はハイスピードコーナーを得意とするから鈴鹿は合っていると思う。

荒選手:たしかにスーパーGTはタイヤの要素は大きいですよね。でも、マシンとしては重量バランスが良くなっているし、空力面も良くなっている。ダウンフォースが進化しているし、ボンネットのダクトも大きくなってエンジンがコンパクトになったことで、エンジンルーム内の風の流し方も変えられる。M4 GT3はクルマのパッケージとして、トータルで良くなっている。その結果としてコーナリングが良くなっていると思います。どこのコースにいっても安定して走れると思いますよ。

──量産モデルと共通点はありますか?

ファルファス選手:エンジンのフィーリングは量産車と似ている部分はあるけれど、それ以外はまったく違うかな。

荒選手:GT3はレーシングカーなのでまったくの別物ですけど、グリルが大きくなったM4は以前のクルマよりシャープに曲がるようになった。量産モデルで鈴鹿を走っても速いので、そもそもベース車両が進化している。そういったキャラクターはGT3にも引き継がれていると思います。

──手応えはありますか?

荒選手:M4 GT3とミシュランタイヤというパッケージでスーパーGTを戦うのは1年目ですが、第3戦の鈴鹿で勝てましたし、ミシュランの戦略も信頼しているので手応えはあります。これからもっと良くなってくると思います。

 残念ながら第5戦の鈴鹿で同チームのM4 GT3は予選23位、決勝12位に終わったが、最新のFIA-GT3車両として高いパフォーマンスを持つだけに今後の躍進に注目したい。

 なお、第5戦の鈴鹿では、平峰一貴選手/ベルトラン・バケット選手の12号車「カルソニックIMPUL Z」がGT500クラスで最後尾から逆転優勝。GT300クラスでは谷口信輝選手/片岡龍也選手の4号車「グッドスマイル初音ミクAMG」が優勝している。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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