今後も日産からは本気のクルマたちが登場する
こうした、日産による新しい新車導入の方程式に従って、現在(2022年8月)まで日本市場でも新しいモデルが続々と登場してきた。
日本市場で重要視されたのは、電動化である。
まず、e-POWERでは「ノート」「ノートオーラ」が登場。プラットフォームが刷新されたことで乗り心地やハンドリングは先代ノートとは別物のような上質な出来栄えとなったことは、周知のとおりだ。
また、EVでは「アリア」に次いで、日本市場専用車として「サクラ」を導入。三菱「eKクロスEV」と共同開発したことで、電動化に加えて軽自動車としての高次元での走りのパフォーマンスを実現している。
一方で、「フェアレディZ」については、グローバルの販売予想台数で全体の7割から8割がアメリカである。そのため、新車発表の方法などでアメリカ重視の傾向が強かったというのが現実だ。ただし、筆者は先日、北海道の日産テストコースで「フェアレディZ」を思い切り走らせ、また日産技術者と意見交換する中で、「フェアレディZ」を通じた日本ユーザーに対する強い想いを日産がしっかりと持っていることを実感した。
そして、秋口から本格的な販売が始まる「エクストレイル」だが、グローバルカーという位置付けから、アメリカでは「ローグ」として、いまから2年も前に発売が始まっている。ただし、エクストレイルの開発責任者は「日本向けはe-POWERとe-4ORCEの開発において、アメリカでのNAエンジンでの開発実績が十分に活かされている」と話す。日産が追求する、このクルマとしての最上級版が日本に投入されるということなのだ。
今後は、最新e-POWERを搭載する次期「セレナ」など、これからも日産の日本市場に対して本気のクルマたちが続々と登場することになるだろう。