重要そうなのに設置位置がバラバラ! レンタカーなどで戸惑う「ハザードスイッチ」はなぜ統一されないのか?

この記事をまとめると

■ハザードランプの位置は車種によってまちまち

■理由は他のスイッチ類と比べて優先順位が低いことにある

■慣れないクルマに乗るときは位置を確認しておくことが重要

同じメーカーのクルマでも位置が異なることも!

 レンタカーや他人のクルマに乗ったとき、意外に戸惑うのがハザードランプのボタンの位置。ひと昔のクルマ(昭和のクルマ)などは、ステアリングコラムの上についているクルマが多かったが、いまのクルマは車種によってマチマチ……。

 ウインカーやライト、ワイパーのスイッチなどは、はじめて乗ったクルマでも迷わず使える定位置にレイアウトされているが、ハザードランプのスイッチに関しては、統一感が乏しい。

 最近のクルマでいえば一応、インパネのセンター付近についているクルマが多いが、同じメーカーのクルマでも、決して統一されているとは言い難い。

 ではなぜ、ハザードランプのスイッチはこれほど自由なレイアウトが許されているのか?

 一番考えられるのは優先順位の問題だろう。ハザードランプの正式名称は「非常点滅表示灯」。あくまで非常用であって、通常使うものではないので、優先順位が低くなり、余ったスペースがあてがわれるので、車種によって場所が変わることが否めないというわけだ。

 とはいえ、非常に使うハザードランプのスイッチがわかりづらいところにあっても困るので、決して隠れた場所にあるわけではない。

 それどころか、近頃ではドライバーの身に何か起きたときに備えて、助手席の人でもハザードランプを点けることができるよう、乗用車ではインパネの中央がハザードランプスイッチの定位置になりつつある。

 一方、基本的に同乗者がいないことを前提としているトラックなどでは、ステアリングの左のレバー(乗用車でいえばワイパーのレバー)がハザードランプのスイッチになっていて、ハンドルから手を離さずに操作できる車種が多い(意外に便利!)。

 反対にタクシー用の車両だと、ハンドルの右側のレバーの先端にスイッチがついているのが定番。街を流していてお客を見つけたときに、すぐにリアクションできるよう配慮されているとのこと。

 ちなみにトヨタ86や日産GT-R(R35)などのスポーツカーでも、右レバーの先端にハザードランプのスイッチを移設するキットなどが商品化されていて、その他の車種でもDIYでスイッチを移設して使いやすくカスタマイズするのは珍しくない。

 いずれにせよ、ハザードランプはいざというとき使えないと大変なので、慣れないクルマに乗るときは走り出す前にハザードランプのスイッチの位置を確認しておくのが肝要だ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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