最近ニュースで目にすることの多い車両火災! 「クルマが燃える」ってじつは「身近」にあることだった (2/2ページ)

発生箇所がエンジンルームの場合、ボンネットは絶対に開けないこと!

 次は、晴れた日に直射日光が当たる車内に放置した場合に、火災の原因になるものがあります。よくフロントガラスに、お守りやキャラクターグッズなど、透明の吸盤で物を吊るしている車両を見かけますが、じつはそれもリスクが高いのです。吸盤が凸レンズ効果で太陽光を集めてしまい、部分的に高温箇所を作り出して火災を引き起こす可能性があります。これは車内でもとくに高温になりやすいダッシュボードに、クリアタイプのペットボトルを置きっぱなしにしていても同様のことが起こる可能性がありますので、置きっぱなしはNG。また、ライターや可燃性のスプレー、灯油やカセットボンベ、バッテリーが内蔵されているもの、飲みかけの炭酸飲料は絶対に車内放置はしないようにしましょう。外気温が26℃程度の日でも、直射日光の当たる車内は50℃近くまで温度が上昇することがありますので、夏が終わっても要注意です。

 近年は突然の豪雨などで道路が冠水することが多くなっていますが、冠水路を無理に走行することものちに火災を引き起こす原因となります。エンジンに水が吸い込まれると、燃焼室に水が入ってエンジンが破損し、飛散したオイルが発火することがあったり、水に浸かった電気系がショートして発火したり。沿岸部で塩分を含んだ水で冠水した車両も危険です。また、水に関する注意点としては、高圧洗浄機も要注意。必ずエンジンを停止した状態で使用することはもちろん、フロントグリルに先端を近づけすぎると、エンジンルーム内に過度の水が入る可能性もあります。

 さて、万が一、車両火災が発生してしまった場合に、どう対処すればいいのでしょうか。まずどんな場合でも、人命救助を最優先に行動するのが前提です。同乗者がいるならば、安全な場所に避難させること。走行中であれば、ハザードランプを点灯して後続車に異常事態が発生したことを知らせ、路肩など追突される危険性のない場所に停車します。慌てて飛び出して後続車に轢かれたりしないよう、安全確認をして車両から脱出し、ガードレールの外側などに避難します。この際、もし余裕があれば車検証など貴重品を持って避難するといいでしょう。自分と同乗者の安全が確保できたら、携帯電話などで119番に通報します。

 そして火の手がまだ弱く、消火活動ができそうであれば、危険のない範囲で初期消火を試みます。ただし、発生箇所がエンジンルームの場合はボンネットは絶対に開けないようにしましょう。空気に触れることで一気に火の手が大きくなってしまう可能性があり、危険です。水やお茶などのペットボトル飲料をかけたり、上着やブランケットなどで炎を覆って鎮火させることができる場合もありますが、できれば万が一に備え、車載用の消火器を常備しておくと安心。スポーツカーの小さな収納スペースにも収まるような、コンパクトなタイプもありますので、この機会に入手しておくことをお勧めします。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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