この記事をまとめると
■ガイキンド・インドネシア国際オートショー2022を現地からリポート
■クロスオーバーSUVのコンパクトクラスに焦点を当てた
■各社が力を入れ、熾烈な戦いを見せている
群雄割拠! クロスオーバーSUVのコンパクトクラス
日本の自動車市場は“ガラパゴス市場”と呼ばれ、また日本車は世界のトレンドに乗り遅れ気味などと言われている。そんな日本においても、SUVの人気は日本車、輸入車ともに高まっている。インドネシアでは、もともとハッチバックやMPVの人気が高かったのだが、クロスオーバーSUVの人気も高まってきている。なかでも各メーカーが激しく競い合っているのが、クロスオーバーSUVのコンパクトクラスなのである。
トヨタ・ライズやダイハツ・ロッキーサイズのクラスがとくに人気が高まっている。ライズは1.2リッターNAと1リッターターボを用意し、1リッターにはGRスポーツというグレードがあるのが日本とは異なる点だ。
2019年に開催されたGIIAS(ガイキンド・インドネシア国際オートショー)会場では、三菱自動車のエクスパンダーのOEM(相手先ブランド供給)車ばかりが展示され、「インドネシア市場から撤退か?」などともいわれた日産だが、コロナ禍に入るとインドネシア市場に積極的な姿勢を見せ、ライズのライバルともいえる、1リッターターボエンジンを搭載するマグナイトをラインアップしている。
スズキも少々キャラは異なるもののイグニスを用意している。韓国ヒョンデもインドネシア現地生産モデルとして、新興国向けクロスオーバーSUVとなる“クレタ”をプッシュしている。
そしてホンダもGIIAS2022会場でのプレスカンファレンスで、インドネシア市場導入予定モデルとなる、スモールSUV“RS”のプロトタイプモデルを初披露している。
トヨタがライズ、ダイハツがロッキーをインドネシアで発売。現地生産をはじめたばかりのヒョンデが生産モデルのひとつとしてクレタを選び、日産がガチでライズ系のライバルとなるようなマグナイトを市場投入している。今後ホンダも参入表明をしていることもあり、インドネシア市場におけるこのカテゴリーはさらに盛り上がっていきそうである。
そのなかで、ダイハツはGIIAS2022会場内ブースにロッキーのeスマート仕様モデルを参考出品した。競争がますます激しくなっていくなかで、レンジエクステンダーハイブリッドユニット、つまり電動ユニット搭載車をインドネシア市場にも導入してライバルに差をつけようという目論みかもしれない。
日本ではライズ系にとってのライバル車はほとんど存在せず、独占市場のようになっている。毎月の新車販売ランキングでもライズは上位に入る常連であるが、インドネシアではそこまで安穏とはしていられないようである。