今後MTで登場するとみられるモデルも
またスズキ・スイフトスポーツも、MT比率が約60%と高い。コンパクトな5ドアハッチバックだが、専用の1.4リッターターボエンジンを搭載して、サスペンションのパーツには名門のモンロー製を使う。価格は約200万円と割安だが、本物指向のスポーツモデルとあって、6速MTで乗りたいユーザーに人気だ。販売も好調で、スイフト全体の50%以上をスポーツが占める。
ホンダ・シビックも6速MT比率が30%に達する。この背景にあるのは、MTを選べる車種がスポーツカーに偏っていることだ。マツダ車は6速MTをマツダ2、マツダ3、CX-30、CX-5など幅広い車種に設定するが、それ以外のメーカーでは、MTを選べる実用性に優れた車種は少ない。
その点でシビックは高い実用性を備えるため、MTとの両立を求めるユーザーに歓迎された。シビックはことさらに高性能をアピールせず、日常的に上質な運転を楽しめて、なおかつMTを選べる。このような車種は、今の日本車では大幅に限られるから、シビックが人気を高めた。
既に登場した新型のMT車としては、新しいフェアレディZが注目される。トヨタ・スープラRZも、マイナーチェンジを受けた時に6速MTを加えた。
これから発売される車種としては、直近ではシビックタイプRがある。さらに2022年の末から2023年に掛けてフルモデルチェンジを受ける次期スイフトスポーツ、後輪駆動に切り替わるマツダ6も6速MTを設定するだろう。