この記事をまとめると
■CVTのメンテナンスの必要性について解説
■CVTフルードについて、まずはメーカーの指定を確認
■指定の7割ぐらいの距離と時間で交換するとより良い
スラッジ除去もできるとベスト!
マニュアルトランスミッション搭載車の減少に対して、当然のことながら増えているのが、オートマチックトランスミッションだ。ひと口にオートマチックと言う場合、従来からの多段タイプを指すことが多いが、マニュアルベースの2ペダルタイプなど、バリエーションは多い。なかでも日本で採用率が高いのがCVTだ。
メンテの面から見てみると、いわゆる一般的なオートマチックは内部に充填されているATF、オートマチックフルードを交換する必要についてさまざまな意見が出て、論争にもなっていた。メーカー指定が無交換とされていたのがさらに火を点けていたが、現在は5万kmから10万kmと幅はあるものの、交換指定がされていたりする。
無交換指示のクルマでも、シビアコンディションでの使用が多いと5万kmぐらいで交換するように指示がされていたので、なにがなんでも無交換ではない。シビアコンディションというと、悪路を走ったり、高速走行を続けるといったイメージかもしれないが、実際ちょい乗りや渋滞などでのストップ&ゴーなど身近な乗り方も含まれていて、多くのクルマが当てはまることになり、結局のところ無交換ではなかったと言っていい。
一方のCVTはどうなのか? ATも含めてイージードライブだと、メンテナンスフリーのように思えてしまうのもまた事実。CVTの場合はCVTフルードが充填されていて、これはベルトを滑らせつつ、駆動力もしっかりと伝達するという相反する性能が求められていて、使用環境としてはかなりシビアだ。
ただし、交換に関しては以前はATと同じで無交換が基本だった。現在はというと、無交換のメーカーもあれば、ダイハツのように5万km毎に交換するように指定しているメーカーもあって、全体的に無交換は減り、交換指定が増えてきている。燃費性能の維持や車両重量の増大による負荷への対応、複雑化する制御などが背景にあるだろう。
CVTもメーカーの指定を確認して、指示があればそれにキチンと従うのが鉄則。そのうえで、エンジンオイル同様、CVTフルードもトラブルが出ない最長のスパンだったりするので、愛車を大切に思うならだいたい指定の7割ぐらいの距離と時間で交換するといい。
ただし、問題は全量を交換できるかで、内部に溜まったスラッジ除去もできるとベストだ。最近のATとCVTはドレンがなかったりして、交換が面倒になっているので、ディーラーでも全量交換できない、もしくはしないところもあるほど。ユーザーには交換しましたという報告で済ませてしまう例もあって注意が必要だ。
とくに某社のCVTは専門業者に言わせると、2万km毎に全量交換と内部クリーニングをしないとジャダーや異音が発生してしまうことが多いという。それでもディーラーでは全量交換しなかったりする。
最後に、頭に入れておいてほしいことは純正のフルードを使うのが一番ということ。開発者も異口同音に「ATフルード、CVTフルードは純正部品のひとつとして考えてほしい」と口にするほどだ。そして、全量交換してくれるところで交換するのがベストで、依頼する前に確認しておくといいだろう。無交換指示だとしても、新油に交換する分には悪いことではない。