この記事をまとめると
■2022年秋に登場予定のホンダの新型SUV「ZR-V」のライバルを考察
■ZR-Vは都会派ユーザー向けのSUVという立ち位置で、CR-Vとヴェゼルの間を埋めるモデルだ
■国産で似たようなボディサイズはあるものの、同じコンセプトのクルマは現状皆無
もうすぐ登場するZR-Vの立ち位置とライバルを考えてみた
2022年秋、ヴェゼルの登場からおよそ1年半、ホンダからまったく新しいSUVが登場する。それがZR-Vだ。すでに北米、中国ホンダが公開しているミッドサイズSUVであり、日本では懐かしいネーミングのHR-V(海外仕様)の日本仕様となる。
ホンダでは現在、大人気のヴェゼル、そしてCR-Vの2台のSUVを揃えているが、ZR-Vはその中間のサイズ。具体的には全長4580×全幅1800×全高1630mmとされ、ホイールベースは2735mm。このホイールベースからわかるように、フィットベースのヴェゼルに対して、ZR-Vは、走りにも定評ある最新のシビックのプラットフォームを使っていることになる。パワーユニットは新開発2リッターエンジン+2モーターのスポーツe:HEV、1.5リッターターボのガソリンが用意され、駆動方式はFFと4WDが揃っているという。
では、ホンダはどうしてヴェゼルとCR-Vの中間となるサイズのZR-Vを出すことになったのか? ZR-Vの開発責任者の小野修一さんの言葉を借りれば、「国内外を問わずSUV市場は群雄割拠の時代。ほとんどの大手自動車メーカーがSUVを出しており、各社とも販売の主力モデルに位置付けています。欧州のスポーツカーメーカーでさえ、SUVを取りそろえているのが昨今の状況です。現在、ホンダにもCR-V、ヴェゼルのふたつのSUVがあり、どちらも世界的な人気を博しています。ただCR-Vが年々大型化していったことで、ヴェゼルとのサイズ差がより広がってしまった。ホンダとしてはその間のSUVが無いことへの懸念もあり、また市場のニーズも強く感じていたので、機種開発担当としては、これは我々が応えないといけない……という思いを持って開発に向き合いました」ということだ。
一見、SUVというよりワゴンを思わせる流麗なスタイリングが際立つボディのサイズは全長4580×全幅1800mm。ヴェゼル(全長4330×全幅1790mm)だとちょっと小さい、CR-V(全長4605×全幅1855mm)だとちょっと大きい……と感じるユーザーにジャストであり、また全幅1800mmは今では国内外のコンパクトカーでも採用される車幅(側面衝突対応の意味もある)で、日本の路上、駐車場でも不満なく使える車幅と言っていいだろう。全長4580mmもしかり、である。