大人気キャラクターとのコラボもあった
3台目は、走りの良いコンパクトカーというイメージが強かったマツダ・デミオに、2002年7月にいきなり登場した限定車の「スターダストピンク」。これはCMキャラクターに起用したタレントの伊東美咲さんが提案したもの。ということで、その年の2月に限定1台を生産し、バレンタインプレゼント企画を行ったところ好評だったことから、600台が限定生産されることになったそうです。
内装もドリンクホルダーやエアコンルーバーなどにローズピンクが採用されており、「かっこかわいいデミオ」というフレーズが印象的でした。もともとのデミオのイメージを逆手にとった1台ですね。当時、伊東美咲さんの人気は爆発的だったので、購入に殺到したのは男性ファンではないかという見解もあるのですが、やはりオートエアコンやオーディオコントロールスイッチ付きのステアリングホイールなど、女性ドライバーの使いやすさが考慮されています。
4台目は、あの峠のスポーツカーにまさか! と誰もが目を疑うかもしれない、通称ハチロクことトヨタ・カローラレビンの女性仕様車、ライムです。1989年に発売されたのですが、じつは有名になったAE86の方ではなく、1.5リッターシングルカムエンジンを搭載したAE85に設定されました。
でもボディ形状はAE86と同じで、全グレードに4速ATを設定。ライムだけの特別装備として、運転席と助手席のバニティミラー、大型ヘッドレスト、回転数感応式パワーステアリングといった、女性ドライバーを考慮した装備が揃っていました。
5台目は、キャラクター好きの女性に向けた女性仕様車。日本の女性だけでなく、今や世界中の女性たちにファンの多いキャラクターといえば、サンリオのハローキティ。彼女は2006年から、三菱自動車の「ハッピードライブアンバサダー(大使)」に就任しています。軽自動車のi(アイ)やコンパクトカーのミラージュで、ハローキティ仕様が登場しているのですが、2013年にハローキティの40周年を記念して発売されたミラージュの「ハローキテイ40thアニバーサリーパッケージ」はとくに印象的。
ハローキティのシンボルであるリボンをあしらったホイールキャップやリヤエンブレム、助手席フロントバンパーコーナーや運転席側ドアミラーなどに付くオリジナルデザインのデカール、さらにハローキティ柄のシートカバーやクッションなど、もうファンにはたまらないコッテリ仕様でした。
ということで、こうして見てみると、ひと口に女性向けといってもいろんなアプローチがあり、その時代の背景も影響しているようですね。女性の「かわいい」は女性の数だけ種類があるとも言われますし、今後はどのようなクルマが女性に人気となるのか、注目していきましょう。