この記事をまとめると
■インドネシア国際モーターショー2022のトヨタブースをリポート
■アルファードをはじめとするミニバンは人気が高い
■インドネシアではオラオラ顔のデザインが好評だ
トヨタのミニバン人気はインドネシアでも
GIIAS2022(ガイキンド・インドネシア国際オートショー/以下インドネシアオートショー)開催初日は、政府から所管大臣が開催式に出席したり、GAIKINDO(インドネシア自動車工業会)の幹部や、出展メーカー幹部などなど、とにかく“偉い人”が多数会場を訪れる。そして、それらの偉い人が会場に乗りつけるクルマで圧倒的に多いのがトヨタ・アルファードだ。日本の街なかがアルファードだらけなのは言うまでもないが、インドネシアでも偉い人やお金持ちが集まれば、そこはアルファードだらけになってしまう。ちなみにアルファードだけでなくヴェルファイアも正規輸入されているが、筆者が見た限りではアルファードが圧倒的に多いというのも日本と変わらない。ちなみに受注生産となるようだが、3.5リッターV6を搭載する最上級の3.5Qというグレードで16憶560万ルピア(約1460万円)。日本ではやや“大衆化”してきているように見えるが、インドネシアでは価格も含め、お金持ちのステイタスシンボルになっているのである。
当然インドネシアオートショー会場内のトヨタブースにもアルファードがあったのだが、その隣には新型である現行トヨタ・ヴォクシーも展示されていた。ノアは導入されておらず、ヴォクシーについても2リッターガソリンエンジン搭載車のみのモノグレード構成となっている。価格は5億7460万ルピア(約522万円)。日本のトヨタのウエブサイト上では、もっとも高額なヴォクシーは396万円となっているので、日本よりはハイクラスな位置づけとなっているが、アルファードほどではないといっていいだろう。
インドネシアでヴォクシーは先代から販売されているのだが、こちらも日本ほどではないものの、ジャカルタ市内やその近郊ではよく見かける人気車となっている(見たのは先代ばかり)。先代発売直後にはまさに“秒殺”で売り切れたという話も聞いているほど、インドネシアのひとたちの心をつかんでいるようである。
日本では懐かしい響きになるが、近年インドネシアでは都市部を中心に“核家族化”が進んでいる。とはいえ、まだまだ三代にわたり同居するなど、大家族で居住するケースが多く、多人数乗車が可能なMPV(多目的車)の人気は高い。しかも、アジア圏全体でいわゆる“オラオラ顔”の人気が高いのだが、インドネシアの人はとくに押しの強い顔つきを好むそうで、アルファードやヴォクシーの人気が高いようだ。中国メーカー系でもアルファードに続けと、オラオラ系の顔つきを持ったミニバンを多くラインアップしているが、少々行き過ぎた印象が強く、程よいオラオラ感を醸し出すトヨタのミニバンは、まさに職人芸の域に達しているともいえ、それが支持されているようだ。
ちなみにいすゞは、東南アジアでは珍しいキャブオーバータイプの小型トラック“トラガ”というモデルをラインアップしているが、“顔つきがかわいく見える”といったこともあり、販売苦戦しているとの話も聞いている。
まだまだ、街なかでは先代ばかりを見かけるヴォクシーだが、来年またインドネシアオートショーの取材に訪れるころにはジャカルタの街には現行ヴォクシーが溢れているのではないかと、いまから楽しみにしている。