音も静かで振動も少ない最近のディーゼルエンジン
日本市場でディーゼル乗用車の新しい時代の幕開けとなったのは2012年だった。マツダのSKYACVTIV-Dは、ディーゼルエンジンの常識としては異例となる、圧縮比を下げてもシリンダー内の燃焼を有効に行い、しかも後処理の装置が簡素化できるという画期的な技術だ。エンジン音もかなり低くすることに成功した。
その当時、マツダ関係者によると「ドイツを含めて、情報交換や技術交流を念頭に、世界の自動車メーカー各社から問い合わせが多く来た」と話していたことを思い出す。
SKYACVTIV-Dはその後、より効率的な燃焼を実現し、またエンジン振動を機械的に弱める技術を採用し、さらに車体構造で音や振動への対策も進んできた。
直近では、CX-60に採用した3.3リッターディーゼルのプロトタイプを、マツダのテストコースで試走した際、1970年代から段階的に体感してきたディーゼルエンジンの進化が「ここまで来たか」と思わず車内で声が出てしまうほど、静かでかつパワフルで楽しい乗り味になっていた。
その他、ディーゼルエンジンの音や振動の少なさでは、BMWの優秀さを改めて実感することが多い。