味わえるのはたった35人! 1億6000万円のランボルギーニ・レヴェントンは地上のステルス戦闘機だった (2/2ページ)

数多くの専用アイテムを採用した特別なスタイリング

 デザイン的にもっとも大きなインパクトを与えるのは、やはりフロントセクションの造形だろうか。大きなエアインテークを持つフロントスポイラーは、もちろんレヴェントンのための専用デザインで、バイキセノンとLEDによるヘッドライトのデザインは、ムルシエラゴLP640とガヤルドの中間的な雰囲気でまとめられている。ちなみにこの一連のモディファイによって、レヴェントンの全長は4700mmにまで延長されることになった。

 ほかにもさまざまな独自のフィニッシュを持つレヴェントンだが、ランボルギーニがそれに設定したボディカラーは、その名もレヴェントンとネーミングされた、半透明グリーン&グレーの専用色のみ。また、一切のオプション装備も用意されない。

 ミッドに搭載されたエンジンは、ムルシエラゴLP640から10馬力のエクストラを得た、650馬力仕様の6.5リッターV型12気筒自然吸気。10馬力の増加分は吸排気システムやECUの見直しによって得られている。シングルクラッチの6速セミATであるeギヤを組み合わせること、またセンターデフにビスカスカップリングを使用した4WD機構を持つことなども、ムルシエラゴLP640と変わらない。

 前後のサスペンションはレヴェントンのためにセッティングを見直したダブルウイッシュボーン形式。ホイールは前後ともに18インチ径を採用したが、そのデザインもまたレヴェントンのみに供給されるもので、タイヤも同様にピレリによって専用開発された、フロント245/35ZR18、リヤ335/35ZR18サイズのPゼロ・コルサが装着される。

 インテリアに目を向けると、まさにジェットファイターのグラスコクピットのように3分割式のメーターパネルがドライバーの心を熱く刺激するが、それを体験できるのは、前でも触れたとおりクーペ、ロードスターの両方を加えても世界で35人のカスタマーのみ。参考までにその0-100km/h加速は3.4秒と、ムルシエラゴLP640のそれより0.4秒速く、また最高速も340km/hを主張している。

 レヴェントンの価値は、もちろんいまも変わることはない。ちなみに2009年に発表されたロードスターは、さらに強力な670馬力仕様のエンジンを搭載し、ボディカラーの色調も微妙に変化している。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
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