たった1時間の放置でもかなりの雑菌が繁殖している!
驚くのは、開始後わずか1時間程度で、どの飲料も温度が50℃前後に達したということ。多くの細菌は、人間の体温に近い30〜37℃くらいでもっとも繁殖が盛んになり、45℃くらいまでが繁殖に適した温度といわれているので、もし飲みかけの飲料に雑菌が入り込んでいたなら、最初の1時間ですでに雑菌にとっては繁殖に好条件の環境になっていることに……。なんとなく、カテキンが含まれるお茶なら大丈夫なんじゃないか、なんて勝手なイメージを持っていた人もいるかもしれませんが、どんな飲料であれ、炎天下の車内に1時間放置したら、もうその飲料にはかなりの雑菌が繁殖している可能性があると考えた方がよさそうです。
また、24時間経過後、ペットボトルの変形や破損が見られた飲料は、炭酸飲料の糖入り・糖なし、ミネラルウォーター、飲み残しを想定した乳性飲料+ドライイースト。炭酸飲料は液体が噴き出していたものもあったとのことで、もし異変に気づかずうっかりキャップを開けていたら、熱湯のように熱くなった液体が顔などにかかって火傷を負うなどの危険性があると想像できます。
実際に、消費者庁・国民生活センターの調査によれば、ペットボトル飲料による事故の事例として、購入したまま車内に置き忘れていた果実飲料が破裂し、クルマの天井部分が破損する等の損害を受けたという事例もあるとのこと。また、ペットボトルの破裂等を経験したことがある場所についての調査では、47.2%が「車内」と回答。破裂等が起こった時期については、85.8%が「夏(6〜8月)」とダントツに多くなっています。
火傷のほかにも、破裂したペットボトルの破片で指を切った、あざができた、といった報告もあるので、これはもう飲める・飲めないの問題ではなく、炎天下の車内にはペットボトル飲料を放置せず、飲み残してしまったら一緒に持っておいて、なるべく冷やして保管し、早く飲み切るのがよさそうです。雑菌は目に見えず、ニオイや色の変化もわからないことが多いそうなので、皆さん、十分に気をつけましょう。