ブームを辿れば行きつく「開拓車」! クルマ界に一大トレンドを作り出した偉大なる始祖3台 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■今に続く常識を作り上げた革命児的モデルを紹介

■今では当たり前の機能を持ったクルマも販売当時は不発に終わったケースがある

■最初のモデルが登場して以来20年以上業界で継承されている例もある

今に続く偉大なるブームを作り上げた始祖たち

 市販車にはさまざまなトレンドが生まれては消えている。しかし、新しいトレンドには、必ずそのルーツとなるモデルが存在している。

 最近のトレンドでいえば、押し出しの強い大きなフロントグリルによる、いわゆる「オラオラ系」と呼ばれる顔が求められる傾向にある。軽自動車からLLクラスのミニバンまで、そのトレンドは共通している。

 もはや標準状態でオラオラ顔になっていることも増えているが、振り返るとオラオラ顔というのは、通称「カスタム系」と呼ばれるバリエーションに与えられるものだった。軽自動車やミニバンでは標準系とカスタム系といった2種類のフロントマスクを用意することが当たり前といった時期があった。

 実際、いまでもホンダN-BOXに代表される軽スーパーハイトワゴンでは、標準系とカスタム系を用意することはトレンドだ。そんなカスタム系のルーツといえるモデルを覚えているだろうか。

 それがダイハツ・ムーヴである。

 1993年に誕生したスズキ・ワゴンRが作り出した軽ハイトワゴンという新ジャンルに、ダイハツが投入したブランニューモデルで、1995年のデビュー当初はスタイリッシュで未来的なルックスでムーヴらしさを表現していた。

 そんなムーヴにカスタムが投入されたのが1997年のこと。角型ヘッドライトと横長のグリルといった独自のフロントマスクは、現在のオラオラ顔と比べると大人しい印象もあるが、「裏ムーヴ」というキャッチコピーのインパクトは強かった。

 このムーヴカスタム以降、軽自動車において標準系とカスタム系を用意することはスタンダードとなり、その流れがMクラスやLLクラスのミニバンにも広がっていき、結果としてオラオラ顔の誕生につながったという風に理解することはあながち間違いではないだろう。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

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