この記事をまとめると
■ガソリンスタンドの給油機には地上固定式計量機と懸垂式計量機がある
■地上固定式計量機はノズルやホース、表示器、支払い機能を一体化することができる
■懸垂式計量機はひとりで利用するのには向いていないが、省スペースでの設置が可能だ
それぞれに長所と短所があるふたつのガソリン給油機
ガソリンスタンドの給油機には、地上固定式計量機と懸垂式計量機の2タイプがある。
このうちより一般的なのは地上固定式の計量機。ノズルにホース、給油量や料金を示す表示器、油種の選択、支払い機能などを一体化できるので、セルフのスタンドを中心に、全国で大半のガソリンスタンドがこの地上固定式の計量機を採用している。
一方の懸垂式計量機は、1964 年に日本で開発された。開発したのはガソリン計量機の国内シェア60%、世界シェア第3位の「タツノ」。東京オリンピックの開催に合せ、都市部の敷地の狭いガソリンスタンドのことを念頭に、省スペース性を優先して考案された。
地上固定式の計量機と違い、ポンプ・流量計装置、 ホース格納装置、 計量表示装置、 制御装置の4つがセパレートしているので、利用者がひとりで操作するのには適しておらず、基本的に有人式のフルサービスのガソリンスタンド向けといえる。
そのかわり、限られたスペースをより有効に使えるし、給油機本体にクルマがぶつかる心配がない(セルフのスタンドなどで、クルマが給油機に接触する事故はけっこうな頻度で発生している!)。
また、ホースが左右に移動するホーススライド機能付きの懸垂式計量機であれば、給油範囲は広がるし、ハイオク、レギュラー、軽油の3油種同時給油のマルチタイプなども増えてきている。
懸垂式計量機は配管などが複雑で設備コストが高いため、国内のガソリンスタンドでは5~10%しか導入例がないが、海外ではアジアを中心に採用する動きが出てきている。
このように、地上固定式計量機と懸垂式計量機にはそれぞれ一長一短あるわけで、今後も共存していくことになるだろう。