この記事をまとめると
■昔の自動車ディーラーのセールスマンは満足に休みを取れる環境ではなかった
■GWやお盆などの大型連休時には「当直勤務」が存在していた
■今後デジタルでの接客が導入されると、業務形態も変化するだろう
実際は名ばかりだった昔の自動車ディーラーの当直業務
大昔の新車販売現場のお話。バブル期は店舗自体は年中無休が当たり前で、セールススタッフは交代で休みを取っていた。とにかく店を開けていれば新車を買いに来るお客が後を絶たないぐらい新車が売れまくっていたので、満足に休みを取ることはできなかった。「サラリーマンが仕事を終えて帰宅する途中に新車を契約したり、深夜遅くてもショールームに灯りがついていればお客がやってきたと聞いております」とは事情通。
そんな状況なので、さすがに年末・年始は別としても、ゴールデンウイークやお盆は、会社としては長期間休みでも、その休みの間各店舗で交代でスタッフひとりが出勤する“当直勤務”というのがあった。“長期休業中にお客から修理などの問い合わせがあった時の対応”というのが、当直勤務を実施する大義名分であったが、新車購入検討客がくれば対応できるという“皮算用”もあったようだ。
マネージャークラスも含め順番で当直勤務をするのが一般的であったが、家族持ちのスタッフはホイホイと当直勤務はできない。当直日当も出るので若手スタッフを中心に当直勤務を交代することも多かったようである。
とはいっても、いま以上にお盆休みがお盆休みらしかった時代の話なので、店を訪れるお客はほとんどいない。当時を知る関係者は「朝出社したら、まず時間かけて愛車の洗車を行いますね。そしてそのあとには、当時はビデオテープでしたがレンタルビデオ店で借りてきた映画を見て夕方になるのを待って帰るというのが一般的な当直の過ごし方でしたね」とのこと。