雨でも視界良好! 騒音も少ない! 世の中全ての道路に採用してほしい「排水性舗装」のたったひとつの弱点とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■道路の表層に水溜りのできにくい排水性舗装が高速道路を中心に採用されている

■ハイドロプレーニングが起きにくく、視認性も上がり、騒音対策にも効果がある

■コストが高く維持管理にも手間がかかるため一般道までなかなか普及しない

高速道路を中心に採用が広がる排水性舗装

 高速道路を中心に、排水性を持つ道路舗装が進んでいる。排水性舗装と呼ばれ、雨水を舗装表面から内部へ浸透させ、道路脇へ排水する構造を持つ舗装だ。

 表面の見かけは、黒々とした通常のアスファルト舗装とあまり変わらない。しかし、アスファルト舗装で用いられる混ぜ物に、砂や石粉など細かい粒子を使わず、粒の大きめの砕石を使い、砕石の隙間を伝って水が浸透するようにすることで、舗装表面から雨水を舗装下へ浸透させているのだ。

 排水性舗装は、原価がかかる。だが、その効果は大きい。雨水を舗装下へ排水できるので、水溜りができず、高速で走行するクルマのタイヤが水たまりで浮いてしまうハイドロプレーニングを起こしにくい。濡れた路面でもグリップを確保し、安全性を高めることができる。また、舗装面に粗さがあるので、グリップ自体の向上やブレーキの効きを向上させることも期待できる。

 ほかに、水溜まりができにくいので、白い車線を認識しやすくなり、運転者が進路を保持しやすくなる。水溜まりを通過するクルマによる水しぶきも起きにくくなるので、運転中の視界も保持される。

 さらに、タイヤ騒音を軽減する効果も期待できる。高速道路には、市街地が近づくと防音壁が設けられているが、舗装を変えることでタイヤ騒音を抑えられるのだ。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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