この記事をまとめると
■クルマのボディカラーは見た目の印象を左右する
■塗装にはいくつか種類がある
■ソリッド、メタリック、パール、マイカの特徴について解説する
メタリックは補修塗装が大変!
クルマの塗装というのは見た目の質、さらにはクルマの価値にも直結する重要なものだけに、かなり手間がかけられている。以前であれば、ソリッドかメタリック程度で、非常にシンプルだった。前者はメタリックのような粒が入っていない色だけの塗装で、後者はキラキラと輝くのが特徴となる。
ソリッドと輝くタイプという、ふたつに分かれるのは今でも変わらないものの、後者については最近は塗装の高品質化に合わせて、メタリックに加えパールやマイカもお馴染みになっている。メタリック、パール、マイカの違いについて解説してみよう。
3つに共通するのは塗装がキラキラしているということ。ソリッドは色味だけなのに対して、粒状のものが配合されていて、その粒が光の加減によって輝くことで、高級感や個性を演出している。
まずメタリックはその名のとおり、アルミフレークと呼ばれる粒が含まれている。正確には粒ではなくて、平らなアルミ片で、サイズなどさまざまで色味によって選ばれる。さらにどう吹き付けるかでも、輝きを調整することが可能だ。それゆえ、きれいに塗装するのは難しく、とくに事故やぶつけた際の補修塗装ではテクニックが必要。オリジナルの純正塗装に合わせて吹かないとそこだけ輝き方が変わってしまうこともある。ドア部分だけ明るかったり、逆に暗いクルマを見かけるが、それは補修時にうまく合わせられなかったのが原因だ。ちなみにボディに対してアルミ片が平行に付くと明るく輝き、垂直に付くと反射が少なくなって暗めになる。
そしてパールは、1990年代あたりにトヨタのパールホワイトが人気となってから定番化した光輝材。パールとは真珠のことで、メタリックのようにキラキラと光るというより、虹色を帯びた上品な感じが特徴となる。
マイカは日本語にすると雲母のこと。雲母とは鉱石で、表面が細かく剥がれその粒は半透明なので、絶妙な輝きでキラキラと光るのが持ち味となる。じつは現在のパールとマイカはどちらも雲母を使用していて効果は同じ。カタログを見るとパールマイカというカラー名があるのはそのためだ。
メタリックの場合、色を付ける塗料にフレークを混ぜて塗装し、クリアで仕上げる2コートが多いが、パールやマイカはベースカラー層とは別にパール層を塗ることが多いので、クリアと合わせて3コートとなる。3コートパールと呼ぶのを聞いたことがあるかもしれない。3層で塗ると手間と時間がかかるため、パールやマイカは有料色になっていることがある。さらに最近ではクリア層にも色を付けたものがあるなど、何層にも塗り重ねた塗装が増えていて、塗装の品質は飛躍的に高まっている。