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実用的な軽自動車の代表格、スズキ・アルトの魅力に迫る (2/2ページ)

実用的な軽自動車の代表格、スズキ・アルトの魅力に迫る

この記事をまとめると

■9代目のスズキ・アルトの魅力を解説

■さらに歴代モデルの振り返りも

■軽自動車の本来の姿を表現したクルマだ

いまどきの軽スタンダードを目指し登場した9代目

「アルト47万円」と衝撃的な価格設定でデビューを果たした初代から42年後に登場した9代目アルト。初代同様、ベーシックな良さを主張する軽自動車ですが「シンプル・イズ・ベスト」だけでなく時代のニーズに合わせ先進安全支援システムやハイブリッドが搭載されています。

 新世代の軽スタンダードを目指し開発された9代目アルトが、どんな魅力を備えたクルマなのかをさっそく見ていきましょう。

エクステリア・ボディサイズ

 原点回帰をテーマに目力が強くシンプルでクリーンなデザインを採用していた先代モデルから、ヘッドライトや前後バンパーなどが丸みを帯びた形状となった9代目アルト。先代と比べピラーやバックウインドウの傾斜を立てられているのも特徴です。

 9代目アルトのボディサイズは全長3395mm、全幅1475mm、全高1525mm、ホイールベース2460mm。先代より全高が25mmほど高められました。

 また回転最小半径が4.4mと先代と比べ0.2mほど大回りとなっています。

 足回りはフロントがマクファーソンストラット式、リヤがトーションビーム式、4WDはアイソレーテッド・トレーリング・リンク式のサスペンションを採用しました。

インパネ・室内空間

 スズキが「毎日乗ってもここちよいインテリア」と説明するように、9代目アルトのインテリアはシンプルで飽きのこないもの。ただ、左右に渡るアイボリーのパネルが特徴的だった先代に比べ9代目のインパネは立体的なものへとチェンジし黒基調となったためか、華やかさや明るさは先代のほうが上回っていたように思えます。

 シフトレバーは先代同様、インパネシフトを採用。メーターもシンプルな造形でまとめられました。

 室内高が先代より45mm高められているためか、運転席まわりの空間はゆとりを感じるほど。

 またピラーが先代より立てられているためドライバーズシートに座ると視界が良く、運転しやすいことに気が付きます。

 リヤシートもハイトワゴンほどではないものの、スペースは十分といえるレベル。

 ただ、ビジネスユースがターゲットとなる廉価グレード「A」のリヤドアはガラスがはめ殺しになっており開閉できないのはご愛嬌です。

ラゲッジルーム

 軽自動車であるアルトのラゲッジルームは奥行きが約400mmと当然ですが広くはありません。ただ、リヤシートを倒すと段差がないフラットなラゲッジフロアが登場。左右の張り出しもなく使いやすいスペースとなっています。

 またテールゲートにインサイドグリップが装着。細かいところですが日常使いで嬉しい工夫がなされています。

先進安全装備

 9代目アルトはスズキの予防安全技術「スズキ・セーフティ・サポート」を装備。

 衝突被害軽減ブレーキをはじめ、誤発進抑制機能、車線逸脱機能、先行者お知らせ機能、後方誤発進抑制機能、ふらつき警報機能、ハイビームアシスト、さらにメーカーオプションで標識認識機能、全方位モニター用カメラ、ヘッドアップディスプレイを備えています。

 ただ、ワゴンRスマイルやスペーシアなどに装備される渋滞対応ACCが装備されていないのは残念なところ。とはいえ、今どきの軽自動車に必要な安全装備は身につけています。

軽自動車No.1低燃費を可能としたマイルドハイブリッド

 9代目アルトに用意されたパワーユニットは2タイプ。ひとつはエネチャージを搭載する660cc直3エンジン、もうひとつはエンジンに加えモーターを備えたマイクロハイブリッド。先代に用意されていたターボエンジンがラインナップされていませんが、最大のトピックスはシリーズとして初となるマイルドハイブリッドを搭載したことでしょう。

 マイルドハイブリッドとはモーター機能が付いた発電機の“ISG”が減速時に回生により充電。その電力を使用してモーターが加速時にエンジンをアシストするシステム。先代や現行モデルにも用意されているエネチャージではできないモーターのみの走行を可能としています。

 もっと詳しく説明すると、減速時にISGで発電。その電力がバッテリーへ充電され、その電力でクリープ走行時に約10秒間モーターのみで走行するものです。発進後から加速時にモーターでエンジンをアシストすることで燃費性能を向上させました。

 一方、エネチャージはマイルドハイブリッドと同じく減速時に発生するエネルギーを利用してオルタネーターで発電。その電力を電装品にバッテリーから供給することでエンジンの負担を軽減するシステム。つまりマイルドハイブリッドは回生エネルギーで貯めた電力を走行に使用しますが、エネチャージはエアコンなどの電装品のみに使うという違いがあります。

 また、アイドリングストップシステムやアイドリングストップ中でも冷たい風を一定時間キープするエコクールなど低燃費に貢献する装備も搭載。ハイブリッドシステムやこれらの装備により、マイルドハイブリッドを搭載した9代目アルトのWLTCモード燃費は27.7km/L。軽自動車No.1の低燃費を実現しました。ただ、エネチャージ搭載モデルもWLTCモード燃費は25.2km/Lとこちらも高い燃費性能を誇っています。

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