F1がグリッドガールを廃止して4年! レースクイーンが文化として根付く日本から見ると「謎の選択」はナゼ? (2/2ページ)

ファンをないがしろにして女性の雇用機会を減らすのもナンセンス

 一方、F1日本グランプリ以外のモータースポーツシーンでは冒頭のとおりレースクイーンは大活躍! メジャークラスのレースはもちろん、プライベーターたちの草レースであってもたいていグリッドガール、レースクイーンがニコニコしているわけです。

 理由は、ロシアと似ていなくもありませんが「彼女たちの仕事(≒オレたちの趣味)をつぶすな!」このあたりかと。キレイごとに聞こえるかもしれませんが、彼女たちを追いかけるカメラ小僧たちに聞いてみれば、同じような理由を声高に言うはずです。

 彼女たちにとってはハイレグだろうが性的対象だろうが、あくまで仕事であり、メジャーデビューのきっかけになる大事なチャンスにほかなりません。思い返すまでもなく、レースクイーン出身の女優、タレントさんは決して少なくないですよね。

 それを支えているのがカメラ小僧をはじめとした男性ファンであり、彼らは「女性蔑視」「男尊女卑」なんて口が裂けても言わないし、もしかしたら夢にも思っていないかもしれません。つまり、ファンをないがしろにして、さらには女性の雇用機会をつぶしている、こういった意味で「F1は周回遅れ」と言われても致し方ないとしたわけです。

 とはいうものの、リバティがとった女性を性的商材と見做さないという作戦は見事なまでに成功したと言わざるを得ません。なにしろ2018年以降、アメリカ国籍のスポンサー企業はどんどん増加しており、いまや200%増しでチームが「これ以上ボディにスポンサーの名前をいれるスペースがありません!」と断るのに苦労するほど(ちなみに、スポンサーが集まり過ぎてリバティとF1チームでお金の覇権争いが起きているとか、暗号通貨企業のような「グレイなスポンサー」も増えるなど、課題がなくもないようですけどね)。

 一方で、日本は児童ポルノに甘すぎると世界中から非難をうけていることもご承知のとおりでして、諸外国からすればレースクイーン文化もその一端と白い目で見られかねません。そうした世界的な流れと、日本のモータースポーツシーンはセパレートして考えるべきなのかどうか、ここで結論を出せるものではありませんが、少なくとも「周回遅れだ」「いや遅れてない」といった議論は決して無意味なものではないでしょう。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
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