テスラは“プレミアムなEV”というカテゴリーを作り上げた
とりわけゴルフはスタイリングについても、台形キャビンや太いCピラーなど、初代から変わらない。これが日本人にも安心感として映っているようだ。ただし近年のフォルクスワーゲンは電動化に軸足を移しており、ID.シリーズが続々登場する影で、最新のゴルフ8はいまひとつ伸び代が感じられないことも事実。
対照的に3シリーズは、後輪駆動のパワートレインはそのままに、スタイリングやインテリアは時代に合わせて柔軟に変えているし、プラグインハイブリッドも追加しつつ、どの世代でも「駆けぬける歓び」を体感させてくれるのはさすがだ。
もうひとつ、テスラも上げておきたい。クルマ好きからはネガな評価も多いが、駆動用バッテリーをフロアに薄く敷き詰め、前後にモーターを置いた4WDというパッケージングは、その後ポルシェ・タイカンや日産アリアなど、多くの電気自動車に影響を与えた。
自動車らしさを残しながらモダンに仕立てたデザイン、大きなモニターで多くのインターフェースを操るインテリアもまた、取り入れる車種が多い。
プライドの高い欧州ブランドは絶対に認めたくないだろうが、タイカンやメルセデス・ベンツEQSなど、高性能でプレミアムな電気自動車というカテゴリーを作り上げたのもまたテスラだ。電動化の流れが続く限り、今後も名前が挙がることだろう。