動く時間を調整することで渋滞を避けることができる
唯一といえる方法は、動く時間をずらすことにある。
たとえば朝8時頃からの渋滞が予測されているのであれば、5時起きで出発するなど「早起きは三文の徳」作戦をとるのが有効だ。
さらに休暇のタイミングそのものをずらすという手もある。帰省ラッシュによる渋滞は下り方面で起きた数日後に上り方面で起きるものだ。つまり、休暇を数日だけ前後にずらして行動のタイミングを変えるだけでも渋滞を避けることは可能だ。
こうした工夫は日常的な通勤渋滞を避けるためにも有効だ。勤め先がフレックスタイム制をとっているのであれば、出社時間を早めるなどして渋滞を避けることができれば、通勤時間を短くすることができ、日々のストレスも軽減することが期待できる。
とはいえ、時間差をつけることが難しい職種もあるだろう。休暇のタイミングについても家族で合わせるためには、どうしても混み合う時期にせざるを得ないというケースも多い。
結局、渋滞を減らすには「働き方改革」が進み、もっと自由な労働スタイルが実現することがキーになるのだろう。その意味では、単純に交通分野だけでなく社会全体の変革が渋滞をなくすことにつながるといえそうだ。
同様に社会変革が渋滞を減らすとすれば、自動運転が進化することにも期待したい。完全自動運転で安全が確保されるとなれば車間距離をもっと短くすることができるので、道路インフラはそのままでもキャパシティを拡大することができる。
つまり自動運転は渋滞を減らすことが期待できるソリューションともいえる。
とはいえ、そのためには完全自動運転のクルマだけが走っているというのも条件となる。渋滞のない時代というのは、ドライバーの意思でクルマを動かすことができなくなっている社会によって生み出されるのかもしれない。