税制の不備もあってガソリン車に乗り続けるのは不利になる
一方、電気代はまだ上がっておらず、東京電力の従量Cの電気代は高い水準でも1kWhあたり30.57円だ。そして、サクラとeKクロスEVが1km走行に必要とする電力はWLTCで124Whなので、電気代は3.79円と計算できる。ガソリンターボ車に比べ、EVは燃料代が半分以下になるという話は、現実のものとなる。
ちなみに、自然吸気エンジン車は、WLTCで21.2km/Lの燃費性能なので、7.76円/kmだ。ただし、動力性能はEVと比較にならない。
ところで、日本のガソリンには、1リッター当たり53.8円の揮発油税が掛かっている。米国のようにほとんど税がかからない状況に日本もなったと仮定して、53.8円をレギュラーガソリン代から差し引いたらどうなるか?
計算すると、5.77円/kmになる。つまり、たとえ揮発油税が無税であったとしても、EVの電気代のほうが安上がりと試算できるのだ。
ところで、揮発油税は本則税率が28.7円であるにもかかわらず、長年にわたり暫定税率として増額され、53.8円という高額の税が課せられている。なおかつ、支払うガソリン代は、その揮発油税分にも消費税が上乗せされている。エンジン車とEVの燃料代比較とは別に、暫定という一時的対応の税額を上乗せしたままの揮発油税の実情と、その揮発油税にも消費税を掛ける税の二重取りについて、もっと消費者は疑問を呈するべきではないだろうか。
いずれにしても、税制の不備を含め、エンジン車に乗り続けると損する時代に入りつつあるだろう。