カーボンニュートラル時代に向けて生き残りを賭ける海外ブランド
シトロエン
フィアットやプジョー、ジープなど数多くの自動車ブランドを抱えるステランティスグループの一員であるシトロエン。ステランティスは、今後10年で欧州で販売する車両の100%、アメリカで販売する車両の50%をEVとし、2030年には75モデルのEVをラインアップして500万台の販売を目指すとしているが、そのなかでもシトロエンは電動化に積極的なブランドだ。
今回展示されていたのはシトロエンE-C4のSHINEグレード。クーペ調のクロスオーバースタイルでの登場が話題のC4のEVバージョンであり、流麗なスタイリングはそのままに、EVらしい力強いトルクによる滑らかな加速と、低振動による極上の乗り心地を両立したモデルだ。
ジャガー
2030年までにすべてのモデルにBEVの選択肢を用意するとしているジャガーランドローバー社。とりわけジャガーに限れば、2025年までにすべてをBEVとすることを明言している。いち早くI-PACEというEVを販売したジャガーだけに、その実現にも現実味が帯びている。
展示されていたのは、ジャガーのPHEVとして日本初導入となったE-PACE R-DYNAMIC SE PHEV P300e。2021年に日本導入が発表され、同年ローンチエディションが20台のみ発売されたが、その2022年モデルがお目見え。
スタイリングはICE版のE-PACEそのままで、1.5リッター直3にモーターの組み合わせ。システム最高出力は309馬力で0-100km/h加速6.5秒の瞬足を誇る。
ヒョンデ
12年ぶりとなる日本再上陸が話題のヒョンデ。ヒョンデは、2030年までに新型EVを11モデル投入し、年間187万台のEV販売を目指す。今回の展示は、FCVのネッソとアイオニック5の2台。
ご存じのとおりヒョンデ・ネッソは、トヨタMIRAIと同じFCVで、FCVを量産販売しているのは世界でもトヨタとヒョンデの2社しかない。MIRAIがセダンスタイルであるのに対し、ネッソはSUVスタイルとなっているため、世界的にも人気を得る可能性がある。まさに未来のモビリティを具現化したモデルであり、今後の動向も非常に気になるモデルだ。
一方、EVのアイオニック5は、最先端デザインとヒョンデの最新技術が与えられたグローバル戦略車。そのユニークなスタイリングには賛否両論あるが、近未来のクルマであることはビンビンに伝わってくる。ヒョンデの日本再上陸の命運は、このアイオニック5が握っていると言っても過言ではない、ヒョンデにしてみれば絶対にコケることが許されないモデルだ。
これらモデルを見ると、いかに海外メーカーが電動化に力を入れているかがわかるように思う。第2回リポートでは、メルセデス・ベンツやアウディ、テスラなどを紹介する。
取材:外海公三郎(交通タイムス社)