この記事をまとめると
■最近は各メーカーがクルマのサブスクリプションに力を入れている
■サブスクで契約すれば購入時よりも納車がかなり早くなるモデルもある
■「KINTO」では返却後の車両の活用も含めてトヨタが儲かる仕組みができあがっている
トヨタの「KINTO」はサービス内容が手厚い
最近はさまざまな業種において、定額制で利用できるサブスク(サブスクリプション・サービス)が人気を得ている。クルマにもサブスクがあるが、とくに新しい仕組みではない。古くから用意されていた車両を貸し出すカーリースの一種で、サービス内容を今のニーズに合うよう改善したものだ。
それでも今になって、サブスクに力を入れるメーカーが増えた。とくにトヨタの「KINTO」はサービスが手厚い。税金、自賠責保険料、車検/点検費用が料金に含まれるのは、カーリースだから当然だが、若年層まで利用できる任意保険も標準付帯した。
たとえば契約者の未成年の子供が親の承諾を得てドライブに出かけ、同乗していた友人に運転を交代した時、交通事故の加害者になった場合でも任意保険を使える。運転者の年齢などを限定しない任意保険は保険料が高額だから、若年層が運転する用途では、KINTOを使うとクルマ関連の出費を安く抑えられる場合がある。
また、今はクルマの納期が遅延しているが、KINTOは短い。この点をトヨタの販売店では次のように説明した。「ヴォクシーハイブリッドは、納期が1年近くに達する。ところがKINTOを契約すると、約3カ月でクルマが届く。KINTOは車両を貸すサービスだから、販売とは根本的に異なるが、3カ月と1年では納期が違いすぎる。ここまで納期に差が付くと、販売店は不利になる」。
以上のように、KINTOは任意保険を割安に設定して、納期も車種とグレードによっては半年以上も短い。いわば特別扱いをしている。