「フェラーリよ、お前もか!」 「プロサングエ」に「ロータス・エレトレ」誕生でスーパーSUVが超激戦区に (2/2ページ)

先行メーカーも既存モデルのパワーアップで対抗

 同じイギリスのアストンマーティンは、こちらもすでにDBXの進化型ともいえる「DBX707」を発表済み。最大の魅力は、車名にも掲げられる、707馬力の最高出力を発揮する4リッターのV型8気筒ツインターボエンジン。最大トルクは900Nmを誇り、大柄なSUVでありながら0-100km/h加速は3.3秒、最高速は310km/hにも達する。これはスタンダードな542馬力仕様のDBXと比較した場合には、0-100km/h加速では1.2秒も速いデータ。300km/hを超えた最高速もまさにスーパーカー並みの実力といえる。

 ちなみにDBX707のキーワードは「最速、最強、最良」。確かにこのモデルの誕生によって、スーパーSUVにおける究極のパフォーマンス、その定義は書き換えられたような印象を強く感じたカスタマーも多いはずだ。

 イギリスにはほかに、ベントレーの「ベンテイガ」、ロールスロイスの「カリナン」といったスーパーSUVが存在するが、これらもいずれも究極のラグジュアリーを、やはりハイ・パフォーマンスとともに堪能させてくれるモデル達だ。

 一方、もうひとつ忘れてはならないイギリスのスポーツカーメーカー、マクラーレンは、SUVに関しては一切その開発プログラムを進行させていないと断言。ライトウエイトスポーツこそがマクラーレンの象徴であるという伝統を、世界的なSUVブームのなかでも貫くようだ。

 フェラーリと同様に、近々にニューモデルの発表を予定しているのはランボルギーニ。それはこれまでのウルスのマイナーチェンジ版となる「ウルス・ペルフォルマンテ(仮)」で、そのパフォーマンスを大幅に向上させることになる。狙いはもちろん、アストンマーティンDBX707のスペックを超えることだろう。

※写真はランボルギーニ・ウルス現行モデル(2022年8月12日)

 この新型ウルスとFUVのフェラーリ・プロサングエ、そしてマセラティの「レヴァンテ」を加えたイタリア勢の対決からも目が離せない。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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