この記事をまとめると
■中古車市場で見つけたら大穴な「ハズシ」モデルをピックアップ
■攻めたキャラクターだった故に時代を先取りしすぎたとも言え不発に終わった傾向にある
■機能や使い勝手に不便はあまりない場合が多いので個性を求めるユーザーにはオススメだ
人と違うクルマが欲しいなら「これで決まり!」な穴場モデル
世の中には美しい、カッコいいと言われるクルマが数多くありますが、だからといってバカ売れするとは限らないようです。ステキなデザインや斬新なコンセプトが仇となり、1代限りでディスコン(消滅)になってしまったクルマも少なくないのです。もっとも、発売当時は売れずとも、あとになってお宝扱いというケースもあるわけですから、ちょっとした「大穴バイヤーズガイド」的にご紹介してみましょう。
マツダ MPV(初代)
だいたいヒトは理解の限度外や未経験なものに対し、拒絶する傾向にあるそうです。マルチ・パーパス・ビークルと、コンセプトというか使い道そのものを車名とした初代MPVは、アメリカでこそ好評を博したものの、国内ユーザーはミニバンというスタイルに「???」だったようです。
SUVなんて言葉が生まれるずっと以前、1990年デビューですから無理もないかもしれません。また、今思えばUS標準に等しいボディサイズが「ウチの車庫には大きいかなぁ」と感じさせたのも売れなかった遠因かと。もっとも、同時代にデビューした「デカくて、広い」初代エスティマはバンバン売れまくってましたからね。一方で9年間も生産され続けたのは大健闘といえるでしょう。端正な6ライト、V6エンジンを納めたショートノーズ、現在のマツダデザインにも通じるふくよかなフェンダーラインなど、普遍的な美しさもあるだけに、いいタマがあったら狙うべきクルマでしょう。
トヨタ・プログレ/ブレビス
小さな高級車という路線を狙い、購買層と予想した中高年むけにデザインされたプログレ、そのカジュアルラインというべきかアッパーラインとして登場した兄弟車のブレビス。いずれも自動車業界では支持を受けたものの一般的には「不発」に終わり、どちらのメイクスも1代限りで終了。メルセデス・ベンツのCクラスに似すぎているといった声もありましたが、ボディを5ナンバーに収めつつディテールをしっかり煮詰めたスタイル、プロポーションはドイツ製セダンよりずっと手の込んだ仕上がりだったかと。
また、インテリアや質感の高さも特筆すべきポイントで「わかっている」業界人はそこらをきちんと評価していたものです。
が、悲しいかな前述のMPV同様、小さな高級車という新しい売り文句は受け入れられなかったのでしょう。ターゲット層は軒並みレクサスやクラウンへとなびいてしまい、スタイルだけでなく使い勝手もいいはずなのに売れなかったのです。今なら、よくできたモケットシートに、白いレースのショルダーカバーをつけて、「祖父の代から乗り続けてます」なんて顔するのがグッときそう。
あるいは、プログレをあえてのマニュアル、ドリフト仕様にカスタムして「上品スピード」を気取るというのも「わかっている」感マシマシかと。