この記事をまとめると
■何かの機会でMTを見たという理由でMT免許を取得する若者が意外と多いという
■今でこそ当たり前のATも、黎明期はクセが強かった
■AT全盛期の今、あえてMT全盛期だった頃のAT車を振り返ってみた
MT全盛期だった頃のAT車に乗った時に感じたこと
筆者には年ごろになる甥っ子が3人いて、運転免許を順番に取得しており、間もなく3人目が運転免許を取得する予定となっている。
自動車メディア業界の末席にいる筆者としては、“大事なお客様”となって欲しいこともあり、自動車教習所費用の半分を負担している。その3人のうち2人が“MT免許”を取得または取得予定としている。ひとりは親の勧めもあってとのことらしいが、もうひとりは友人が古い軽自動車のMT車を運転しているのを見て興味を示したとのこと。若い世代のなかで少なからずMTに興味のあるひとが目立っているとは聞いているが、いまどきは路線バスやトラックでも2ペダルATが当たり前の時代では趣味でMT車に乗る以外は実用性がないと思うが、クルマ自体に興味を持ってもらえることはやはり嬉しい。
筆者が運転免許を取得したのは1986年。当時はまだメディアで「AT比率が上昇している」といったことが話題になるほど、まだまだMT車が多かった。実際、筆者が運転免許を取得した時の我が家のマイカーだった、4代目カローラセダン1500GLは4速MTであった。搭載エンジンは厳しかった昭和53年排ガス規制のころに開発されたもので、トルクはスカスカで非力感いっぱいであった。
それなのに父親が、転勤先の北海道でしかも冬に運転免許を取得したこともあるのか、我が家のMT車はトラックやバスのように“セカンド発進”がマストであった。たまに友人を乗せて出かける時には、「セカンド発進してるんだ」と随分珍しがられたことを記憶している。我が家のマイカーはMT時代が長く、その後6代目、7代目カローラセダンも5速MTであった。そのため運転免許を取得してから10年ほどは、自分でスポーティモデルを所有していたわけでもないのに、運転のほとんどはMT車であった。
いまどきはAT(自動変速機)といっても、一般的なステップATのほか、CVTやDCTなど、その種類もいくつか用意されているが、いずれもDレンジ(またはDレンジ相当)入れっぱなしで運転できるという点では共通といえよう。