この記事をまとめると
■東京湾横断道路(東京湾アクアライン)は1997年12月に完成した
■自動車専用の海底トンネルとしては世界最長と言われてる
■この工事に際に使用された「凍結工法」について解説する
世界最長の自動車専用海底トンネルはどうやって作った?
世界初の量産ハイブリッドカー「トヨタ・プリウス」が、『21世紀に間に合いました』という印象的なキャッチコピーとともに発表されたのが1997年10月。ほぼ同じタイミングとなる同年12月に東京湾横断道路(通称:東京湾アクアライン)が開通している。
神奈川県・川崎市と千葉県・木更津市をつなぐ自動車専用道路であるアクアラインは、いまや首都圏の自動車交通にとっては欠かせない道となっている。湾岸道路で大まわりすることなくショートカットできる東京湾を横断した道を作る、という夢の実現もまた21世紀に間に合わせていたのだ。
あらためて東京湾アクアラインの概要を整理してみよう。
川崎市川崎区浮島町地先から木更津市中島をつなぐアクアラインの全長は約15.1km。渋滞がなければ、おおよそ15分で渡ることができる自動車専用道路となっている。
川崎から約9.5kmがトンネルとなり、パーキングエリアである「海ほたる(木更津人工島)」から木更津側の約4.4kmは橋梁となっている。そして、東京湾の水面下60mの地点に、9.5kmに渡って掘られた海底トンネルは、自動車専用道としては世界最長といわれている。
はたして、東京湾に海底トンネルを掘るという大工事には、どのような工夫がなされたのか。そのキーワードとして注目したいのが「凍結工法」というものだ。