クルマをCMのイメージだけで売るのは不可能
そこでクルマでは、1990年に発売されたマツダのオートザムレビューが、小泉今日子さんをCMに起用した。レビューはボディに丸みを持たせた背の高い4ドアセダンで、かなり個性の強い車種であった。果たして売れるのか!? と注目していたら、小泉今日子さんのCMジンクスは、見事に破られたのだった。「流石のキョンキョンも、レビューには勝てなかったねぇ」と話題になったものだ。
クルマには嗜好品的な性格があるものの、高額商品だから、CMのイメージだけで売るのは不可能だ。2代目ミラージュやレビューが、売れなかったのは当然だろう。
しかし今の時代はさらに悪い。印象に残るクルマのCMがほとんどないからだ。この背景にはTVの視聴率が大幅に下がったことが挙げられる。TV局のディレクターは「昔のドラマは、平均視聴率が30%を超えることも多かったが、今は動画サイトが人気を高めたこともあって大半が10%台だ。25%を超えると、ネットのニュースになる」という。
それでもクルマのCMは大切だ。妙な見せ方をするのではなく、クルマが走っている姿をひたすら美しく映して欲しい。かつてはそのようなCMを観て、クルマに憧れる気持ちを沸き立たせた。いろいろと原点回帰が話題になる昨今だから、クルマのCM作りでも、かつての映像を改めて見直したらどうだろう。