この記事をまとめると
■かつてインパクトが強いクルマのCMが多数あった
■「カッコインテグラ」など今なお語り継がれるフレーズも
■CMが話題になったクルマの販売台数について解説する
クルマよりエリマキトカゲの方が目立ってしまったCMも!
クルマは移動のツールだが、デザイン性や運転の楽しさも重視され、嗜好品的な性格を併せ持つ。イメージ戦略も重要で、企業の印象を高めることも視野に入れ、古くからTVのCMに力を入れてきた。時代を遡ると2代目日産サニー(1970年)の「隣のクルマが小さく見えまーす」、7代目トヨタ・クラウン(1983年)の「いつかはクラウン」、初代日産セフィーロ(1988年)の「くうねるあそぶ」、2代目ホンダ・インテグラ(1989年)の「カッコインテグラ」などが思い浮かぶ。
これらの車種はいずれも堅調に販売され、CMと併せて記憶されるが、CMの宣伝力で売れ行きが伸びたわけではない。何よりもクルマ自体の商品力が高く、CMがそれを効果的に演出していた。
CMは宣伝活動のひとつに過ぎないから、商品力が低ければ、CMが話題になってもクルマは売れない。たとえば2代目三菱ミラージュは、1984年のマイナーチェンジでエリマキトカゲを使ったユニークなCMを放送したが、クルマの売れ行きは伸び悩んだ。エリマキトカゲの印象が強烈で、肝心のミラージュが記憶に残らないという失敗もあった。
また1980年代の後半から1990年頃に掛けて、歌手で女優の小泉今日子さんは「CMの女王」と呼ばれた。カップスープ、チョコレート、シャンプー、エアコンまで、小泉今日子さんをCMに起用した商品は、その大半がヒットしたからだ。