クロスオーバーは新しいユーザー層を獲得する可能性がある
北米トヨタによれば、アメリカでは1955年に「トヨペット・クラウン」として市場参入し、1972年まで販売された。そのため、近年のアメリカでは「クラウン」という名前に馴染みがあるユーザーはほとんどいないと言える。
アメリカの大手自動車メディア各社は、新型クラウンがアバロン後継になる可能性を示唆している。そうなれば、アバロンが作った一定規模の市場にクラウンがマッチすることになるだろう。
さらに、2010年代以降に、それまで北米市場の主力だったC/DセグメントセダンからSUV(またはクロスオーバー)への急激なシフトを考えると、クラウン・クロスオーバーはアメリカで新しいユーザー層を獲得する可能性は十分にあると思われる。
その他、期待される海外市場は中国だろう。中国では近年、クラウンを販売していた時期があり、モデルとして一定の知名度がある。また、中国でも近年、アメリカと同じようにSUV(クロスオーバー)シフトが起こっており、クラウンが活躍できるかもしれない。
その他、欧州、中近東、東南アジアなど、新型クラウンの仕向け地がこれから徐々に明らかになるだろう。
日本での発表会見でトヨタ幹部は、海外戦略ついては国や地域の市場状況を踏まえて、じっくりと考えていくという姿勢を示している。果てして、クラウンはグローバルカーとしてこれから、どんな活躍を見せてくれるのか? その動向を見守っていきたい。