この記事をまとめると
■新型シエンタが8月23日に発表予定という情報をキャッチ
■X、G、Zという3グレード構成になっているとのこと
■Zが人気グレードになっていくのではないかとセールスマンは予想する
当面はZを集中的に生産していく模様
なかなか出口の見えない新車の深刻な納期遅延。そのなかで新型シエンタがいよいよ登場する。筆者が店頭で聞いた限りでは、8月23日に記者発表予定になっているとのこと。新型シエンタは当初6月中にデビュー予定だったものが、8月23日まで延期になってしまったとの情報もある。現状の生産現場の様子を見る限り、あくまで“予定”としか紹介できないものの、今回の8月23日デビューは予定どおりとなる可能性が高い。
正式発表に先立ち、8月3日より正式に受注申告を端末入力できるようになった。新型シエンタには廉価グレードからX、G、Zという3グレード構成になっているとのことだが、当面はZを集中的に生産していく体制を取っていくようだ。情報がやや錯綜しているようで、ディーラーによっては「Z以外のグレードは2023年4月以降生産開始になる」と説明するところもあったが、「Zの生産をメインとし、Gについてはメーカーオプションをいっさい装着しないオーダーに限り生産する」と説明するディーラーもあった。
お買い得グレードともいえるGは、標準装備満載のZに比べるとメーカーオプションが豊富に用意され、必要なもののみをセレクトできるのが魅力。そのため、メーカーオプションがいっさい装着できないとなると、装備内容がやや不足気味となるだろう。
「現行アクアデビュー時には、最上級グレードのZがよく売れ、アクアのなかでも納車までに時間がかかってしまいました。当初はメーカーオプションを豊富に用意し、必要なものだけをセレクトできる中間グレードのGが人気になると思われていたのですが、多少余計な装備が多いとしても、Gではオプションの装備が標準装着されるZのほうが割安感が高いとして人気が高まったようです」(事情通)と聞いている。
新型シエンタでも、結果的にはZのほうが割安だと捉えられ、人気グレードになっていくのではないかとセールスマンは語ってくれた。ちなみに残価設定ローンの利用が増えるにつれ、アクアやシエンタに限らず、最上級やより上級グレードを選ぶ人が増える傾向にある。価格設定も従来に比べれば、「標準装備になるなら」と思う人が多くなるような、中間グレードと上級グレードの間の価格差はそれほど大きな開きにはならない傾向にもなってきているようである。
新型シエンタが生産グレードの絞り込みを行う背景は、納期遅延を深刻にさせたくないという配慮があるようだ。生産グレードの絞り込みはフランス プジョー系ディーラーでも話を聞いている。プジョー2008では国内で2グレードをラインアップするが、上級のGTのみの生産に特化しているとのこと。いまどきの新車購入では車両生産の都合から、よりメーカーオプションが少なく、標準装備化されている上級グレードに生産を特化させるケースが目立ってきている(車両生産の工程をできるだけシンプルにしたい)。総合的に判断すると“中間グレードが買い得だからねらい目”という概念も成り立ちにくくなっている。また昨今では生産が上級グレードに絞り込まれることも目立ってきており、上級グレードが売れ筋になる傾向が高まってきていると言えるだろう。
※写真は全て現行型