ケースバイケースによって例外も存在する
また、自動車学校に通っているときに「駐車場で車庫入れの練習をした」という人もいるかもしれないが、じつはこうしたケースでも微妙なことがある。
自宅敷地内の駐車スペースや月極駐車場など特定の人しか利用しない私有地については道路に該当しないので、無免許で練習するのは合法となる。しかし、店舗に付随する駐車スペースやコインパーキングのような駐車場は、不特定多数が利用するため道路交通法の対象となり、そこで無免許でクルマを動かすことは違法と考えることもできるのだ。
まとめると、私道であっても不特定多数が利用するような状況においては道路交通法の対象となる。道路交通法の対象ということは、そこを走るには運転免許が必要という意味だ。
難しい法的な解釈は置いておくとして、一般ユーザー的には運転免許が必要であろう道は、道路交通法でいう“道路”であり、さまざまな交通ルールに従うべき道だと判断する基準となるだろう。
そうは言っても「箱根ターンパイクでレーシングマシンが走ったことがあったじゃないか」と指摘する声もあるだろう。たしかに、過去に複数のプロモーションで明らかに公道走行が不可といえるレーシングマシンが走ったことがある。
しかし、それは箱根ターンパイクを閉鎖して、特定の人だけが走れるようにしたから可能になった話であって、日常的な運用で箱根ターンパイクをレーシングマシンが走れるわけではない。
そもそも公道であっても閉鎖すればレーシングマシンを走らせることは可能だ。実際、2019年には東京の神宮外苑でレッドブルがF1マシンのデモランイベントを開催、2021年にもスーパーGTやMotoGPマシンなどを走らせたことがある。
さらに言えば、地方自治体が招致を目指している公道レースを実施する場合でも、公道をナンバーのついていないレーシングマシンが走ることになるが、本来の公道では不可能な話だ。公道であってもしっかりと許可を得て閉鎖することで、道路交通法の対象外となるケースもあるのだ。