トラブルはディーラー側に責任があることも
ケースバイケースとなるが、「頼んだものと違う」といっても、納車時にトラブルになるとまずキャンセルはかなり難しい。そのようなことが発生する主な原因は、セールスマンの説明や確認不足となる。とはいってもディーラーとしてはそのまま新車を納めてもらうため、平身低頭でとにかく謝りお客に納得して引き取ってもらうように対応するのが一般的。
しかし、ここで紹介したお客を“クレーマー”と単純にすることはできない。いずれも、セールスマン側の説明不足や確認不足もトラブル発生の一助となっているのは否定できない。「何かありそうだ」とセールスマンもトラブル発生の予感がすることも多く、トラブルを未然に防ぐこともあるそうだ。
また、少々話が異なるが納車時に「このお客はすぐ新車へ乗り換える」と直感したら、納車数日後に大きな自損事故を起こし全損したと連絡が入ったということもあったそうだ。できるセールスマンほど直感力も高いようである。
現状では、たとえば受注時にグレードやオプションの内容、ボディカラーなど細部までセールスマンが説明したあとに、お客が納得して署名(いまでは電子署名も多い)するのが徹底されているが、そのようななかでもときどきそのプロセスのひとつを省いてしまったことでトラブルになることはある。
前述した見た目に“やっかい”なイメージが大きい客だと、セールスマンも慎重にことを進めるのだが、スイスイと話が進んで受注した時ほど、突発的なトラブルが発生することも目立つので、「何か見落としはないか」と慎重に見返すセールスマンも多いと聞いている。