この記事をまとめると
■自動車ディーラーにはさまざまな客が来る
■「思ってたのとは違う……」はお互いの意思疎通の欠如も原因の一つ
■最近では入念な確認や書類の用意によってトラブルを回避している
複雑な商品だけにトラブルの種は多い
トラブルはある日突然やってくる。だからこそトラブルといえるのかもしれない。
新車販売の世界でも、マウントを取りたがったり、半ば恫喝口調でセールスマンに迫ってくるなど、目に見えて“厄介なお客”はいる。そういったお客は、トラブルになりやすい相手としてはわかりやすく、“可愛いほう”との認識になっているようだ。
「相手をしていて何も感じない人はいないでしょうが、それでも注文を取りたければつきあえばいいし、遠慮したいと思えばヤンワリと“ほかで買ってください”といえばいいだけとも聞いています。“反社系”のみなさんでも、“いかにも”的にまくしたてるように恫喝してくる人よりは、どんな時でも目が笑わず論理的に静かに攻めてくる人の方が恐怖は倍増するとも聞いたことがあります」とは事情通。その事情通によると、新車販売ではある日突然トラブルになるケースほど衝撃が大きいそうである。
たとえば、知り合いのお客の娘さんが免許を取ったので新車を買ってあげることになったそうだ。セールスマンは若い女性が好みそうなコンパクトハッチバックをすすめると、本人も気に入った様子で、「これと同じものがいい」とカタログを指さしたので、そこに掲載されていたグレードで同じボディカラーの車種で注文書を作り、当該車も届いたので納車すると、「希望していたのと違う」と大泣きされてしまったそうである。何が原因かと思ったら、「これがいい」と指さした写真はオプション装着車であり、そのオプションを注文書では計上していないので、当然実車には装着されていなかったのである。
同じような話はカタログだけでボディカラーを決めてもらったところ、納車の時に「イメージが違う」と大騒ぎになることもあるとのこと。「ボディカラーにこだわっているお客様だとお話ししていて感じると、可能な限り実車を見せてご納得していただくなど、ご本人に十分納得していただき、ご自身で判断したという明らかな状況証拠を作るようにします」とは現役セールスマン。
商談中にはなんの話もなかったので、ガソリン車で注文を取ったら「ディーゼル車が欲しかった」となり大騒ぎになったこともあると聞いたことがある。