さらにブレーキメーカーのエンドレスのワークスチーム、ENDLESS SPORTがメルセデスAMG GT4に自社開発のブレーキユニットをインストールした3号車「ENDLESS AMG GT4」を投入するなど、まさに未発売の開発モデルが参戦しているが、そのなかでもっとも注目を集めているマシンが新型Zをベースに開発された「Nissan Z Racing Concept」だと言えるだろう。
同マシンのデビュー戦は第2戦の富士24時間レースで、NISMOがカーボンニュートラル燃料を使用した230号車を投入したほか、Max Racingがガソリンを使用した244号車を投入。残念ながらNISMOの230号車は富士24時間レースのみの参戦だったが、Max Racing の244号車はその後もスーパー耐久への参戦を継続しており、レースを通じてアップデートが行われているようだ。
というわけで7月30日〜31日に開催された第4戦のオートポリスにてMax RacingおよびNISMOを直撃。Nissan Z Racing Conceptとはどんなクルマなのか、まずはNISMOで車両開発を統括する石川裕造氏に話を伺った。
──スーパーGTの開幕戦の岡山でNISMOの松村基宏さんにGT500の「Z GT500」について話を聞いたんですけど、あのクルマはほとんど市販モデルの新型Zとは別物ですよね。スーパー耐久に参戦するNissan Z Racing Conceptは市販モデルに近いクルマなんでしょうか?
石川氏:確かにスーパーGTのGT500のマシンは車両規定に合わせて作られていますからね。エンジンを含めて中身は違いますが、このスーパー耐久に参戦するNissan Z Racing Conceptは量産車をそのまま使っています。もちろん、軽量化のために不要なものは取り外していますし、ロールケージなどレースを走るために必要な装備をつけていますが、富士24時間レースの際はエアロパーツを含めてほぼノーマルの状態で走っていました。