この記事をまとめると
■AクラスとBクラスが2025年を持って終売となる予定だ
■利益率が低いと言われているのが要因だ
■ただし、流行りのSUVであるGLAやGLBは引き続き販売する予定
売れ筋モデルの生産を終えるのは経営戦略の一環
メルセデスベンツのコンパクトクラスを担っているAクラスとBクラスが2025年を持って終売となり、後継車種も登場の予定がないというニュースが流れた。
Aクラスと言えば1997年に初代が登場した前輪駆動レイアウトを採用したモデルで、2代目まではトールタイプのハッチバック、3代目からはボディを大型化してプレミアム感溢れる高級ハッチバックとして販売された。
そして現在販売中の4代目では4ドアセダンも追加され、より高級感溢れるメルセデスベンツのエントリーモデルとして一定の人気を獲得した車両となっている。
一方のBクラスは2005年にAクラスのプラットホームを共有して登場した車種で、2列シートの5人乗り仕様であるものの、背の高いミニバン風のボディとなっており、コンパクトながら室内空間を広めたトールワゴン的な車種だ。
どちらもまったくの不人気車種というわけではなく(Bクラスはやや不人気だが)、コンスタントに売れている車種だけに後継車種が登場しないで終売というのはやや不思議にも思えてくるが、これはメルセデスベンツの今後の販売戦略が大きく影響しているようだ。
というのも、メルセデスベンツは今後電動車に注力していく一方で、より収益性の高い車種に集中していくという狙いがあり、コンスタントに売れていても収益性の低いコンパクトクラスの車種は思い切って切り捨てたというワケなのである。
その証拠に、FFレイアウトのプラットホームを使いながらも収益性の高い(つまり車両価格が高く付加価値のある)SUVであるGLAやGLB、クーペタイプのCLAは継続して生産、開発をしていくということもアナウンスしているのだ。
メルセデスベンツユーザーの裾野を広げるために導入されたはずのAクラス&Bクラスが結果的に大きな収益に結びつかなかったというのは残念な話とも思えるが、最近では先行きの見えない半導体不足の影響も拡大しつつあるため、幅広い車種をリリースするよりも選択と集中を実行して収益性の高いモデルに注力していくというのは、メルセデスベンツとしては正しい方向性とも言えるのではないだろうか。