移動したい……クルマから降りたくない……「あぁ極楽極楽」感漂う超快適リヤシートのクルマたち (2/2ページ)

装備が豪華すぎてクルマから降りれない!?

 最先端デジタルサルーンと呼ぶべきBMW i7、BMW7シリーズの後席もすごい。

 リヤドア内側に5.5インチスマホサイズのタッチスクリーンを備え、各種機能を手元で操作できるほか、後席専用のアマゾンFire TV搭載31.3インチ8Kパノラマディスプレイ!!  マッサージ機能まで用意。BMWのブランドの本質を表す「駆け抜ける歓び」とともに、最先端のデジタルパフォーマンスの世界まで味合わせてくれるのが7シリーズである。

 とはいえ、上記の3車はいかに後席が豪華で快適であっても、一般の人がおいそれと手が出せる(似合う)クルマではないとも言える。で、800万円以下で、そうしたラグジュアリーを極めた後席を持つクルマはないかと調べたところ、DS9を見つけた。

 価格は714〜804万円で、DSラウンジシートと呼ばれる後席は、機能装備、贅沢装備こそ左右シートヒーター、ベンチレーション、ランバーサポート程度にとどまるものの、凝ったナッパレザーのデザイン性あるシート、多機能アームレストなど、パリが香るラグジュアリー感に満ちた世界を堪能させてくれるのだ。

 もう1台、セダンではないものの、前後席4座のSUVで後席の豪華装備極まるのが、2020年にすでに生産を終えている、新車価格1359万円!! のボルボXC90 T8ツインエンジンAWDエクセレンス。じつは、中古車が原稿執筆時点で全国に2台しかないのだが、中古車価格は約650〜800万円。もちろん即納可能なクルマである(はず)。年式は2016〜2017年だが、走行距離は少なく、まだまだ乗り続けられる中古車のようだ。

 そんなボルボXC90 T8ツインエンジンAWDエクセレンスは、もちろん3列シートラグジュアリーハイエンドSUVのXC90がベースだが、3列目席を取り払い、独立4座、つまり後席独立2座とし、広大かつラグジュアリー感極まる後席を作り出したスペシャルモデルなのである。そして肝心の後席の装備は、後席センターコンソール内にある液晶画面で操作するシートリクライニング、ベンチレーション、マッサージ機能を備え、フットレストも用意。

 さらに、ウッドパネルの質感の高さもたまらない折り畳み式テーブル、シャンパンのボトルが2本入るクーリングボックス、そしてボルボではおなじみの、スウェーデンを代表するクリスタルブランドであるオレフォス製ハンドメイドシャンパングラス(台座のないスティックタイプでホルダーの穴に刺して固定する)まで標準装備されるのである(中古車にそれが残っているかは分からないが……)。当時を振り返れば、本革シートの柔らかくしなやかなかけ心地も超一流、ラグジュアリーそのものだった。

 いやいや、それでも650〜800万円はするでしょ……とお嘆きなら、100万円台でも後席がとびっきり充実した新車がある。

 それが三菱ekクロススペースだ。

 後席の乗降はパワースライドドア。スーパーハイト系軽自動車だけに全高が高く、フロアが低いため、セダンより乗降は楽々快適。後席居住空間の広さも圧巻で、身長172cmの筆者のドライビングポジション背後で頭上に250mm、膝まわりに最大400mmもの(後席スライド位置による)、スペースがあるのだから、ゆったり。グレードによってはラグジュアリー感たっぷりのインテリアカラー、シートマテリアルとなり、オプションでプラズマクラスター搭載のリヤサーキュレーターまで用意。後席の充実度は軽自動車のレベルを遥かに超えたものになるはずだ。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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