この記事をまとめると
■「クルマ好き」と一口に言ってもその嗜好はさまざま
■クルマが好きな人が貼られがちなレッテルも多数
■この記事では4つの具体例を挙げて解説する
たくさん改造しているほどクルマ好きとは限らない
ご近所同士や仕事仲間などの会話で、時おり出てくるのが「今度は入ってきた新人、クルマ好きらしいよ」「あそこの家の息子さんはクルマ好きなのよ」なんていうフレーズ。みんな、なんとなく「クルマ好き」という言葉を使っているのですが、じつはその言葉から思い描くイメージは人それぞれ、千差万別だったりするものです。しかも、「クルマ好き」と言われた本人が思っている方向とも、まったく異なる場合も多いのが面白いところ。
たとえば同じ「クルマ好き」でも、モータースポーツが好きな人と、オフロード系が好きな人とは、ほぼ別の趣味趣向の人と言ってもいいくらい、話が噛み合わないことも多いもの。世間一般に「クルマ好きって、こうだよね」とイメージされがちな方向とも違うことが多いのです。そこで今回は、クルマ好きの皆さんが貼られがちなレッテルについて、考えてみたいと思います。
まず1つ目は、これがもっとも多いと予想される「クルマ好き=いじるのが好き」というレッテル。クルマが好きな人は、タイヤ&ホイールなど足まわりをはじめ、エアロパーツやマフラーなど、必ず何かしら自分好みにいじっていると思われがちです。もちろん、本当にそうやってお金をかけ、こだわっていじっている人も多いのですが、なかには「ノーマルこそ正義」だというこだわりを持つ人もいます。開発者たちの熱意や苦労を知り、そこまでプロが突き詰めて完成させたものをしっかり味わいたい、と考えるからです。
どちらかというと、スポーツカーは走りの腕前が上達するのに合わせて、セッティングを変えていくことが多かったり、音や空力にこだわるためにいじっていく人が多く、セダンやコンパクトカー、ミニバンなどは見た目の個性を出すためにいじる人が多い印象。でも、あえてノーマルにこだわるクルマ好きもいるので、何もいじってないからクルマ好きじゃない、とも言いきれないのです。
2つ目は、クルマ好きなら誰でもメカニズムに詳しい。というのも貼られがちなレッテルなのですが、じつのところ、自分が乗っているクルマに関しては詳しくても、ほかの車種になるとからっきしわからない、知らない、興味もない、という人も珍しくありません。100年をゆうに超える歴史を持つクルマゆえ、そのメカニズムには数えきれないほどの種類があり、進化も著しいので、そのすべてを覚えようとするのは至難の業。とくに若い世代は、たとえばキャブエンジンなんて生まれるずっと前に市場から消えていったものなので、見たことも乗ったこともなく、おそらくこれから乗ることもないものです。
昔のクルマ雑誌などを読みあさっているならわかるかもしれませんが、そうでなければその存在すら知らない人がほとんど。なので、よく年配の方が、相手が若いのにクルマ好きだからと嬉しくなってメカニズムの話を振り、相手はまったくわからなくて会話が噛み合わない、というのはよくある場面。最近はクルマ好きといっても、メカニズムには興味がなく、ただ単に「ドライブが好き」という若者も多いので注意したいところです。