撮影のためにスマホを窓から出す行為も危険!
次に、犬などのペットが窓から顔を出している光景ですが、ペットは乗員ではなく荷物として扱われますので、乗員が抱っこをしていても、ペットがシートベルトを着用していなくても、違反ではありません。ただ、第55条第2項には「車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。」と定められています。そのため、ドライバーが膝の上にペットを乗せて運転したり、顔を出していることでサイドミラーが確認できないような状態は、違反となる可能性が高いということになります。もし違反にはならなくても、万が一衝突事故などが起こった際に、ペットの命は飼い主の腕では守れません。安全性をクリアしたケージなどに入れ、しっかり固定して乗せてあげるのが飼い主の本当の愛情ではないかと思います。
さて、SNSにアップするために写真や動画を自撮りする人も増えていますが、ドライブ中に窓から自撮り棒やスマホ、カメラを出している姿を目にすることもあります。これは運転者が行うことはもちろん違反(安全運転義務を定める第70条)。助手席などの同乗者が行う場合には、明確にすべてが違反と明記されているわけではありませんが、先ほどの第55条の2で定められている通り、その行為によって安全運転に支障が出るような場合には違反と見なされる可能性があります。
そして最後に、窓から何かを出すどころか、ゴミやタバコの吸い殻などを道路にポイ捨てする人を見たことはありませんか? これはもちろん、れっきとした違反です。第76条第4項、禁止行為の4「石、ガラスびん、金属片その他道路上の人若しくは車両等を損傷するおそれのある物件を投げ、又は発射すること。」および5「前号に掲げるもののほか、道路において進行中の車両等から物件を投げること。」でしっかり禁止と定められています。以前、子どもが親の目を盗んでいたずらでティッシュを窓から飛ばしていた、なんてことを耳にしたことがありますが、これももし後続車両のフロントガラスに張り付き、視界を遮ってしまったら大変。こうした子供のいたずらにも気をつけたいですね。
ということで、窓から何かを出したら違反になるのか? チェックしてみました。悪気なしにやっていることでも、今一度、安全運転の妨げになっていないかどうか、注意してみることも大切ですね。