ヘリを使った取り締まりで違反者を一網打尽にするアメリカ
なお、警視庁のホームページによれば、運転免許の点数制度は「アメリカ、カナダ、ドイツなどの諸外国で採用」されているとの記載がある。
その上で、アメリカでの交通違反に対するエピソードをひとつ紹介したい。
1990年代末から2000年代初頭にかけて、アメリカ西海岸を発祥とした日本車が主体のチューニングカーブームが巻き起こったときのことだ。全米で社会現象化して、これをドキュメンタリータッチで描いた作品が、映画「ザ・ファースト・アンド・ザ・フューリアス(邦題ワイルドスピード)」だ。
このブームに乗ろうと、日本から多くのチューニング部品メーカーやショップが南カリフォルニアに進出した。だが、結果的にブームは短命で終わってしまった。
背景にあったのが、違法改造や集団暴走に対する当局の極めて厳しい取締りと、それに伴う罰則の重さだ。取締りについては、上空から複数のヘリコプターが追尾して、地上では多数のパトカーによって一網打尽にされる事例が、カリフォルニア州やテキサス州で複数起こった。車両は当局によって即刻没収され、運転者ら集団暴走に関わった関係者が拘留された。こうした大規模な取締りに加えて、マフラー交換などライトチューニングに対する取締りも強化されるようになり、ブームは短期間に終わってしまったという経緯がある。
その際、アメリカのなかにはブームの本家である日本に対して「なぜ、同じような改造車が日本では日常的に使われても、取締りの対象にならないのか?」という疑問の声が挙がっていたことを思い出す。