タヌキは年間34万頭!! 高速道路だけで1日130件も発生! 動物が犠牲になるロードキルの実態とは (2/2ページ)

「動物注意」の黄色い標識を見落とさないことが重要

 なお、ロードキルが原因で、車同士がからむ事故に発展した場合は、動物を回避したドライバーの責任割合が大きく問われることも覚えておこう。

 さらに、大型動物との衝突事故も増えているので注意が必要だ。たとえば、令和3年の北海道における鹿が関係する交通事故は、4,009件も発生しており、前年比+498件で、5年連続で最多記録を更新。調査を開始した平成16年の3.4倍となった。 これらの事故では、死亡事故には至っていないが、同年人身事故は2件発生。いずれも鹿の飛び出しにより急ブレーキをかけた前車に追突したケースだ。

 野生の鹿は北海道以外でも増えており、環境省によると、1978年度から2018年度までの 40年間で、ニホンジカの分布域は約2.7倍に拡大、イノシシの分布域は約1.9倍に拡大しているとのこと。

 同じく環境省が2000~2003年度に行なった調査によると、北海道の約55%の地域にヒグマが、そして本州の約45%の地域にはツキノワグマが生息していることがわかっている。いずれも近年、急速に生息数が増加しているので、これまで以上に注意が必要だ。

 ちなみにニホンジカ40kg、クマ40~80kg イノシシ80~190kgとそれぞれ体重が重いので、クルマが衝突した際のダメージは相当大きい……。

 ロードキルを回避するには、まず「動物注意」の黄色い標識を見落とさないこと。こうした標識があるところでは、速度を控えめにして、用心深く通過するのが第一。

 タヌキなど多くの動物は夜行性なので、夜間、山間部を走るときはとくに注意が必要だ。対向車などがいないときは積極的にライトをハイビームにして、道路脇に動物の目が光っていないかをチェックするようにしよう。

 季節的には秋から冬にかけての事故が多く、日没が早くなると動物たちの活動時間も長くなるので、秋以降はより慎重なドライブを心がけて欲しい。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
趣味
-
好きな有名人
-

新着情報