日本でいう「AA」が欧州では「B」!
ところで、欧州にもタイヤラベリング制度というのはある。そして、さまざまな場で欧州基準のラベルをつけたタイヤを見かけることも増えてきている。ここで気を付けたいのは、日本と欧州のタイヤラベリング制度では、等級の表記が異なっているという点だ。
欧州でのグレーディングは以下のようになっている。
転がり抵抗が6等級、ウエットグリップ性能が5等級となり、それぞれ日本のラベリング制度と比べて1等級ずつ増えているが、その基準となる数値を見るとわかるように、基準自体は日本の制度と変わらない。
日本ではグレーディングの性能を満たさないタイヤにはラベルをつけないのに対して、欧州では基準を満たさないタイヤにはつけるラベル(転がり抵抗ではG、ウエットグリップ性能ではF)を用意しているというだけだ。
また、日本のラベリング制度ではウエットグリップ性能についてAAA~Cという表記としているが、欧州ではA~Gとしている。わかりやすさでは欧州の表記といえるが、ラベリング制度で認められる最低ランクをCとする日本の表記のほうがマイルドに感じる。このあたり国民性が影響しているのだろうか。
いずれにしても、日本と欧州のタイヤラベリング制度において基準となる数値自体は変わらない。たとえば転がり抵抗については日本でいう「AA」が欧州では「B」に当たるといった風に覚えておけば、欧州基準のラベリングを受けたタイヤと国産タイヤを比較することができるはずだ。
なお、欧州のタイヤラベリング制度では騒音についても3段階で表記している。走行騒音についての基準が厳しくなっていくなか、日本のタイヤラベリング制度にもノイズについての表記が求められることなっていきそうだ。