この記事をまとめると
■EVに関して、「V2L」、「V2H」という用語がある
■最近、「V2G」も聞かれるようになった
■それぞれの意味について解説する
「V2L」、「V2H」、「V2G」の意味を解説!
よく、「EV(電気自動車)は単なる移動手段ではない」と言われます。その理由として、すでにみなさんがよく知っている「V2L」「V2H」があると思いますが、近ごろ新たに「V2G」というワードを聞くようになりました。果たして、V2Gとはなんなのでしょうか? 順を追って解説したいと思います。
まず、EVオーナーであればすでに活用している人も多く、EVに興味を持つ人が魅力的に感じることが多いのが、いつでもどこでも1500W程度の外部給電が可能なこと。EVさえあれば、そしてバッテリーに余裕があれば、どこでも電子レンジや電気ポットなどの電化製品が使えるので、ドライブ先ではクルマが電源となって、楽しみ方が広がります。これは、あらかじめコンセントが装備されているEVもあれば、専用のアダプターを充電口などに装着することで、コンセントとして使えるようになるEVもあります。これを「V2L(Vehicle to Load)」と呼んでいます。
次に、EVを災害など「非常時の備え」として購入したり、自宅で太陽光発電を設置している場合の余剰電力を貯め、必要な時に使うための蓄電池として購入する人も増えています。これは「V2H(Vehicle to Home)」と言って、専用機器を介することで、自宅とEVとで電力を相互に行き来させることができるようにするシステム。このV2Hのメリットは大きく4つあり、1つ目は一般的な家庭用蓄電池と比べて、電池容量が大きいので長時間の電気使用が可能となること。一般的な家庭用蓄電池は5〜12kWh程度なのですが、EVなら軽自動車のサクラ/ekクロスEVでも20kWhあり、アリアなら91kWhにもなります。日常的にはそれほどの大容量は必要なくても、万が一の停電や災害時などには、長く持つ方が安心ですね。
2つ目のメリットは、電力のピークシフトやピークカットが可能となること。これは自宅に太陽光発電を設置している人はもちろん、設置していなくても、電気料金が割安になる深夜にEVに充電しておいて、昼間はEVを電源として家庭の電化製品を動かすことができるのです。太陽光発電はどうしても昼間の発電が多くなりますが、使いきれない分をEVに貯めておいて、必要な時に使うことができるようになります。最近は電力がひっ迫しており、朝や夕方の最も電気を使いたい時間帯に停電したりする不安もありますので、これは助かりますね。