この記事をまとめると
■最近の新車ではコネクティッド・サービスを装備するモデルが増えている
■先日のauの大規模障害によって図らずもコネクティッドカーの弱点が露呈した
■クルマのコネクティッド・サービスでもデュアルSIMが必須になる?
コネクティッド化による繋がるクルマが増加中
自動車業界は100年に一度の大変革期といわれるようになって久しい。その変革について「CASE革命」とする呼び方も広まっている。CASEというのは、コネクティッド・オートノマス・シェアリング・エレクトリックの頭文字をつないだもので、つながる・自動運転・共有・電動化が自動車ビジネスを変えていくということを意味している。それぞれ夢のある技術であったり、利便性を高めるユーザビリティを期待させたりすることもCASEというキーワードが注目を集めているところだろう。
ここでは通信できるクルマ=コネクティッドによる可能性と課題について考察してみたい。
現時点でのコネクティッドというのは、大きく3種類にわけられる。
ひとつは快適性を向上させるもので、車内Wi-Fiなどのエンタメ系の機能と、駐車中のエアコンオンなどのリモート操作系などもコネクティッドによって可能になる機能だ。スマートフォンで検索した目的地をナビに転送するのも、コネクティッドによって可能になっている。
ふたつめが、ナビの地図データ更新などを自動更新できるような機能だ。このようにOTA(オン・ジ・エアー)と称される通信によるアップデートの対象は、クルマの制御系の更新にも使われるようになる。プログラム由来のリコールであれば、ディーラーなどに持ち込むことなく、駐車している間に自動的に改善されるということも可能になるのだ。
3つめが、SOSコールに代表される非常時の通信機能。交通事故やクルマの故障、あおり運転に遭遇した際に音声通信で助けを求めることもできれば、はたまたエアバッグが展開するような大きな事故では自動的に自車位置に救急車を手配することもできる。クルマが命を守ってくれる可能性も、コネクティッドによって高まるのだ。
しかし、コネクティッドには落とし穴がある。それは通信機能において携帯電話の回線を利用しているという点だ。