GMからステランティス傘下へと移籍して活躍の場が広がるかも
ふたつめの理由は、長らくGM傘下にいて、近年はドイツのオペルとの部品共通性が高いことで、デザインや走行性能などで、ボクスホールらしさを強調することが難しかったことが挙げられる。その結果、欧州のモーターショーなどで展示があっても、日本のメディアで取り上げられることが少ない。フォルクスワーゲン傘下のメーカーでいえば、スペインのセアトやチェコのシュコダのような立ち位置に、ボクスホールがいると言えるかもしれない。
そんなボクスホールだが、これからは日本人があっと驚くような戦略を打ち出してくるかもしれない。なぜならば、前述のように、ボクスホールはもはや単独の自動車メーカーではなく、自動車ブランドだからだ。
PSAとFCAが融合したことで誕生したコングロマリット(企業複合体)のステランティス。PSAがGMからオペルとボクスホールを買収していたことで、ボクスホールはステランティス傘下のブランドとなっている。
そのうえで、ステランティスはオペルについて、2028年までに欧州域内で新車100%をEV化するという決定を下している。そうなれば、これまでオペルとの部品共通性が高かったボクスホールも必然的にEV専用ブランドになるのか? それとも、オペルとのEVプラットフォームの共通化に加えて、ボクスホールがグローバルモデルとして脱皮するのか?
ステランティスがこれから、ボクスホールをどのように進化させていくのか、その動向を楽しみに注視していきたい。