この記事をまとめると
■後世に語り継ぎたい自動車文化をライターの独断でピックアップ
■最近ではゲームが自動車文化の一翼を担う存在にまでなってきている
■電動化が進むにつれて貴重になるエンジン音も文化として残したい要素のひとつだ
後世に語り継ぎたい自動車遺産を勝手にピックアップ
「世界遺産」というのは、ユネスコで採択された条約をもとに登録されている遺跡や建造物などの文化遺産および自然遺産のこと。文化的背景についても考慮されていることもしられている。
世界遺産遺産に登録されると、人類全体のための遺産として損傷,破壊等の脅威から保護し,保存することになる。最近でいえば、三内丸山遺跡に代表される「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界遺産に登録されたことが記憶に新しい。
では、もし自動車文化において世界遺産に選ぶとしたら、どんなクルマが適切なのだろうか。電動化によってエンジン車が消滅の危機に瀕している今だからこそ、人類の遺産として保存しておきたいクルマについて考えてみたいと思う。
自動車大量生産の原点であるT型フォードや、歴史上もっとも作られたフォルクスワーゲン・ビートルといったモデルが世界遺産にふさわしいのは言うまでもないだろう。今回は、あえて日本代表として推薦したいモデルを独断と偏見で選んでみたい。
日本代表の自動車世界遺産となれば、初代セルシオやユーノスロードスター、スカイラインGT-R(BNR32)といった国産車の黄金期といえる1989年生まれの名車も思い浮かぶが、個人的には、それらは単独の存在ではなく、「1989年生まれの国産車」というグループとして自動車世界遺産へ推薦するのがふさわしいようにも思う。
その意味で、あえて日本発の自動車世界遺産としたいのが、1991年~92年にかけて生まれた2シーターの軽自動車群「ABCトリオ」だ。
ご存知のようにABCというのはオートザム(マツダ)AZ-1、ホンダ・ビート、スズキ・カプチーノ各モデルのイニシャルに由来するもの。AZ-1はガルウィングドアにターボエンジンをミッドシップに積んだ2シータースポーツだ。
ビートは世界初のモノコック2シーターオープンボディのミッドシップに3連スロットルを与えられた軽自動車最高のNAエンジンを積んだモデル。
そしてカプチーノは、フロントにターボエンジンを積んだFRスポーツで、4通りに変化するオープントップが特徴となっている。
単独でみても魅力的な軽スポーツカーではあるが、文化的背景まで考慮するとなると、この3台をセットで自動車世界遺産に推薦したいと思う。