雨水だけでなく走行音も低減する排水性舗装
この排水性舗装は、路面から数センチの深さに水を排出する仕組みだったが、近年ではより深くまで水を浸透させられるようになり、街路樹などへ排水を導き、水やりの手間を省けるようになっているという。
アスファルトに混ぜる石の粒を大きくすることで排水性がよくなることは、その隙間を通じてタイヤ騒音も舗装の下へ消えていくことになる。目の詰まった舗装に比べ、タイヤ接地面が叩く舗装面積が減るのに加え、タイヤが路面を叩いた音も舗装表面で反射するのではなく、舗装路面の下へ吸収されるようになる。これによって、タイヤの通過騒音が低くなるので、高速道路だけでなく、一般道においても、幹線道路を中心に排水性舗装が用いられるようになっている。
今日、一般道においても、クルマの通過騒音はエンジン音よりタイヤ騒音が目立つようになっている。電気自動車(EV)が静かだといわれるが、エンジン車も一部を除いて一定速度で走行しているときは、エンジン排気音を轟かせているわけではない。
排水性舗装や高機能舗装と呼ばれるアスファルト舗装が普及することで、騒音対策という住環境の改善にも役立つのである。