フローを変えるなどの試みも
メーカーが運営する整備専門学校もあるので、比較的ディーラーは人手に関して有利ではあるが、それでも作業量に対して人手は少ない。また、現在は整備計画がち密に組まれていて、それに沿ってドンドンとこなさないとダメだし、メカでもノルマがある。また接客も求められるので、その際はわざわざきれいなつなぎに着替えるなど、手間も多い。そうなると、離職者も多く、残ったメカニックの負担は増えるばかりだ。
対策も取られていて、手間がかかる整備はセンターで行うようになっている。エンジンの積み替えや事故車の大規模な修理などは地域に設けられた整備センターで一括で行うことで、各ディーラー店舗の負担を減らすようにしている。板金塗装もしかりで、予算に合わせて使い分けてはいるようだが、フレーム修正にも対応したセンターが設けられていることが多い。
このように整備に対するフローを変えていくことで、人手不足に対応していこうという試みがなされている。それでも足りないし、何度も言うが街の整備工場レベルでは絶望的。安全装備など最新整備技術への対応もままならず、結局は廃業していくのみというのが現実だったりもする。
ディーラーでしか対応できないような整備が増えていきつつ、ディーラーも人手不足と、どこを取っても見ても明るい兆しはあまり感じられない。一部メーカーのディーラーでは外国人や女性メカの採用も進めているが、どこまで人手不足解消に効果があるのかは、未知数だけに今後の成り行きに注目したい。